東久留米 (七福神寺) 石仏巡り

 1月9日に開催された、西武鉄道主催・東久留米市後援の「東久留米七福神めぐりウォーク」には参加できなかった
 ため、今回独自に巡り歩くことにしました。
 「のんびり、ゆっくり江戸東京七福神めぐり」(日本出版社発行 グループ漫歩編集) を片手に、8Km強の武蔵野散策
 に出かけました。


 関東の駅百選 西武池袋線東久留米駅に、9時40分に降りたちました。
 駅前から続く大圓寺通りを北西に600m進むと、黒目川に架かる新大橋に出ました。

 
         東久留米駅               新大橋からの黒目川


 新大橋の直ぐ先には、七福神の恵比寿尊、福禄寿尊、寿老人尊の三尊を祀る「普門山大圓寺」があります。
 当寺は、平安初期の天安2年(858)開山という古寺です。
 門前には、「いたばし五里、八王じ五里、江戸四谷五里、かわごい五里」と陰刻された「五里五里馬頭 (観世音) の
 石碑」とか、馬頭観音像を浮き彫りにした「石橋供養塔}など、いずれも東久留米市有形文化財の四基の石仏・石碑
 が安置されていました。
 

 
        寺院名碑と山門             同 山門の屋根に狛犬      
 
      左側に馬頭観世音の石碑              同 側面の道標            同 青面金剛像の庚申塔
        天保九年(1838) 造立                                 延亭三年(1746) 造立
 
         右側の二基                同 石橋供養塔           同 拡大画像 馬頭観音菩薩像
                            天保六年(1839) 造立
 
       同 三猿のみの庚申塔 
        延宝八年(1680) 造立  

 山門を潜ると、その裏に真新しい「11体の石仏」が祀られていました。


 
         五体の石仏                  六体の石仏

 山門からの仁王門までの参道には、右側に「鐘楼」と真新しい「如意輪観音像」が並びます。
 左側には「地蔵尊堂」を挟んで「水子地蔵尊」と「三界萬霊」そして「矢部藤九郎の供養塔」が並びます。


 
        仁王門への参道                  鐘楼                 如意輪観音像
 
       矢部藤九郎の供養塔              地蔵尊堂                 水子地蔵尊
 
          三界萬霊                同 拡大画像
 
 仁王門には、沢山の七福神が祀られています。


 
            仁王門           同 布袋・弁財天・福禄寿・恵比寿・寿老人          同 毘沙門天
 
         同 大黒天               同 大黒天・恵比寿               同 恵比寿・布袋

 正面には「本堂」、左側に「薬師堂」と「護摩堂」があります。
 本堂前には、武州東叡山寄贈の立派な「石燈篭」があります。


 
          本堂                 同 内部画像                  石燈篭
                                                 寛延四年(1751) 造立 
 
          護摩堂                   薬師堂                  黒目川よりの門   


 黒目川は、川岸の近くまで住宅が迫ってきているため歩道が狭くなっていますが、昔からの川岸を残していて野趣
 溢れる雰囲気を醸し出しています。


 
        黒目川 遊歩道              鴨が寛ぐ川面      


 (小春日和についウトウトと歩むうちに、中橋を通り過ごし米津寺まで往ってしまいました。
  後に、中橋まで戻りこの記録を取りました。)

 大圓寺から300m進むと中橋にでます。
 橋の右手先の三差路には、黒目川に架けた中橋・曲橋(ひとつ下流)・落葉橋(ひとつ上流)の三つの石橋を造った
 時の「石橋供養塔」があります。
 その前に3個の「力石」が埋め込まれていました。
 右端の大きい力石には、四拾五貫(約169Kg)と陰刻されています。

 この「石橋供養塔」と3個の「力石」は、いずれも東久留米市指定文化財に登録されています。

 
          中橋                      石橋供養塔                同 拡大画像
                            明治二十三年(1890) 造立
 
        同 三個の力石 


 更に300m進むと落馬橋 (おちばはし) にでます。 橋を渡り南に進みます。


 
        黒目川 遊歩道                  落馬橋  

 

 落馬橋から700mほどで、七福神の布袋尊を祀る「円通山米津寺」に着きます。
 本堂は目を惹く白さの鉄筋コンクリート造りで、本堂の向いには「八角堂〈光寿堂)」があります。
 本堂の小窓越しに、「布袋尊像」を拝観させていただきました。 
   

 
        寺院門碑と参道              参道の石灯篭              平和観音像
 
          光寿堂                   本堂                同 本堂内の布袋尊像 
 
       墓地入り口の六地蔵像           畜魂供養塔と鰻之供養塔         地蔵像「念ずれば花ひらく」
 
           小堂                   同 石橋供養塔             同 拡大画像 青面金剛像  
                            嘉永四年(1851) 造立
 
       境内社 鎮守社 明神型鳥居              お社                 竹林に五層の石塔 

 本堂裏には、多摩地区で唯一という大名家墓地で都指定史跡になっている「久喜と長瀞の藩主米津家墓所」があり
 ました。  墓所の中央には、立派な「宝篋印塔」が目立っていました。

 
 
        墓所入り口の六地蔵像              同 左の三地蔵像             同 右の三地蔵像
 
         地蔵菩薩像                宝篋印塔                 宝篋印塔
                                               寛延十一年(1634) 造立
 
        同 基壇・基礎部              同 笠部・塔身部               同 相輪


 落合川近くの多門寺を目指し、県道234号を駅方面に東上します。
 (南沢交番前交差点で、中橋石橋供養塔まで往復1KmUターンしました。)


 
         県道234号              南沢交番前交差点             沢頭近くの宮前橋 


 米津寺から1700mほど来た所で氷川神社の案内板を見つけ、200mほど回り道をしました。
 落合川上流の湧水群「沢頭(さがしら)」の水源地にある「南沢氷川神社」は、せせらぎの音が静かに響く丘上の小さ
 な神社です。

 
        神社名碑と明神型鳥居               参道の石段                   拝殿
 
        宗風獅子型狛犬              金壱百圓献納の石碑
 

 氷川神社から落合川沿いに200m東に進むと、七福神の毘沙門天を祀り 武蔵野三十三観音霊場第五番札所かつ多摩
 八十八ヶ所霊場37番札所の「宝塔山吉祥院多聞寺」にでます。
 東久留米市指定文化財の「山門」は、総欅の切妻造り四脚門です。


 
         寺院門碑                   山門                   庚申の石碑
                           嘉永五年(1852) 造立            弘化二年(1845) 造立
 
     武蔵野観音霊場札所の石碑

 本堂は、近代的な鉄筋コンクリート造り2階建の威風堂々たる建物です。
 「毘沙門天」は秘仏のため御簾に入っており、直視すると目がつぶれるそうで拝観することはできませんでした。

 
           六地蔵像                不動明王像                 同 拡大画像
          
          本堂               同 秘仏 毘沙門天像 (転写)               観音堂 
 
        線彫りの大師像               同 拡大画像
 
         地蔵菩薩像              墓地入り口の地蔵菩薩像              観音像


 落合川に沿った閑静な町並みの道を行くと、「三地蔵尊像」と「大日如来の石碑」が祀られていました。


 
          地蔵堂                 同 三地蔵尊像
 
         二基の石碑            同 大日如来と判読不明の石碑
                           寛保三年(1743) 造立


 落合川の快適な遊歩道を歩いてみることにしました。
 豊かな湧水を水源とする落合川は、水草に覆われ川底まで透き通って見えるほど水の澄んだ美しい都清流でです。
 込み合った住宅地の間を流れている川であるにもかかわらず、ゴミや生活排水などで汚染されている様子がないのは
 素晴らしい。


 
          落合川             水草沢山の川面に鴨が群れる


 落合川を散策しながら進むと、多門寺から1200mほどで不動橋にでます。

 
          不動橋               橋の先左側にお堂



 橋を渡った直ぐ左側に「不動明王の小堂」があり、「二基の不動明王坐像」が祀られていました。
 右側の東久留米市指定文化財の「不動明王坐像」は、像の下には五大明王の種子(梵字)が陰刻されています。

 
 
          不動堂                 同 堂内
 
         同 不動明王坐像                同 不動明王坐像               同 拡大画像  
      昭和五十三年(1978) 造立          文政九年(1826) 造立 


 更に落合川沿いに進み、落合橋を右折します。

 
          落合橋


 墓地の塀沿いに、東久留米市指定文化財の「廻国供養塔」を祀る覆屋がありました。

 
          供養塔の覆屋                 同 廻国供養塔
                            宝暦十三年(1763) 造立



 その先に、屋根で覆われた「二基の石仏」が祀られていました。
 左側が「地蔵菩薩像」、右側が「三面馬頭観音の庚申塔」です。


           
          供養塔の覆屋          同 地蔵菩薩像と馬頭観音像の供養塔          同 拡大画像
                      宝暦八年(1758)造立・文化九年(1812)造立


 更に進むと 不動橋から400m、道路に面して 落合村の鎮守「落合浅間神社」があります。
 鳥居をくぐり 石段を上ると「狛犬」が迎えてくれ、がらんとした境内に「手水舎」「拝殿」がありました。
 
境内社は、「稲荷社」「稲荷祠・天王祠」があります。


 
          明神型鳥居               和風獅子型狛犬                 手水舎
 
          拝殿                境内の左側に鳥居
 
        境内社 稲荷社             境内社 稲荷祠・天王祠


 境内の左側に「小御嶽神社/落合富士塚」の鳥居が見えます。
 鳥居の先には2mほどの塚があり、頂に「小御嶽神社」と刻まれた石碑がありました。
 富士塚の特徴のぼく石や富士講碑などは見当たりません。 やっと「清瀧不動明王の石碑」を見つけました。
 奥の方を探索すると もう一つの塚があり、頂に「三笠山神社/御嶽山神社/八海山神社の石碑」がありました。

 
      小御嶽神社 明神型鳥居             塚の上に石碑              同 小御嶽神社の石碑
          
      清瀧不動明王の石碑               塚の上から
 
          奥の塚の上に石碑      同 三笠山神社/御嶽山神社/八海山神社の石碑


 路を戻り、落合橋を渡ります。

 
          落合橋


 
 途中、二又路の角の覆屋に「地蔵菩薩像と馬頭観音像の供養塔」が祀られていました。

 
          供養塔の覆屋              同 二基の庚申塔           同 青面金剛像の庚申塔
                                               文久三年(1863) 造立



 二又路の右を道なりに進むと、都道234号線と都道125号線(浄牧院通り)が交叉する交差点に出ました。

 
        都道が交叉する交差点           浄牧院通りに寺院案内掲示



 落合浅間神社から北西に800m、七福神の大黒天を祀る「神護山浄牧院」に着きました。
 1997年の都市計画道路により、浄牧院の敷地が分断されて浄牧院通りができたそうです。
 浄牧院通りに面する唐破風屋根の「山門」には、精巧な龍などの彫刻が施されています。


 
       県道234号側の寺院門           三角州の敷地にお堂
 
     浄牧寺通りの寺院名碑と山門           同 拡大画像 寺院名碑              同 拡大画像 山門
 

 山門を潜ると、境内の右側に「夫々に干支を添えた地蔵像」が並んでいます。


 
         十二支の地蔵像
 
        同 亥・戌の地蔵像             同 酉・申の地蔵像               同 未・午の地蔵像 
 
        同 巳・辰の地蔵像              同 卯・寅の地蔵像            同 丑・子の地蔵像

 楼門式の三門 (仁王門) には、表側に「阿吽の仁王像」裏側に「風神像と雷神像」が聳え立っています。


 
         三門 (仁王門)                同 阿吽の仁王像              同 繊細な彫刻
 
          三門の裏側                同 風神像                同 雷神像

 三門を入ると 右側に、「鐘楼」「十三重塔」「相輪を冠した石灯篭」などが配置されています。
 左側には、「六地蔵像」「 十一面観音像」「十一面観音菩薩堂」などが安置されています。
 本堂隣の寺務所に、「三面大黒天像」が祀られていました。


 
          鐘楼                 十三層の石塔               相輪を有する灯篭
 
          本堂                   六地蔵像                  同 拡大画像
 
        十一面観音像                 同 拡大画像                三面大黒天像
 
         十一面観音菩薩堂              同 内部画像               堂の前に鉄の下駄
 
        
 本堂の前には、お釈迦様の足の裏の相「仏足石」があり、その三方には「坐像・涅槃像・降誕生像」などが浮き彫り
 されています。

 
       遮那如来像と仏足石               同 仏足石               同 像説明の石碑
 
          同 右面の像               同 裏面の像                 同 左面の像
 
         墓地前の六地蔵像               同 拡大画像 
 
       爆弾落下点の石碑               通用門


 浄牧通りを更に進むと、黒目川に架かる神山大橋があります。
 更に路なりに進み、浄牧寺から500mほどの宝泉寺の二又路に突き当たります。
 二又路の角に、「交通安全地蔵尊の小祠」がありました。


 
         神山大橋               交通安全地蔵尊の小祠             同 拡大画像


 二又路の右 宝泉寺通りに面して、七福神の弁財天を祀る「峯亀山洞明院宝泉寺」の寺院門があります。
 開基は、承和五年(838) といわれる由緒ある寺院です。
 山門までの参道の右側には、「青面金剛像の庚申塔」と「六地蔵像」が安置されています。
 左側には、共に東久留米市指定文化財の 三人の童子がすがりつく「子育て地蔵像」と 市内に唯一現存する
 「石憧六地蔵像」が並んでいます。 石憧六地蔵像の上部には、「西国/秩父/坂東」と百観音霊場の名が陰刻されて
 います。


 
         寺院名碑               青面金剛像の庚申塔 
                             文化九年(1812) 造立
 
         六地蔵像                  同 拡大画像
 
          子育て地蔵像                石憧六地蔵        同 拡大画像 「西国/秩父/坂東」の銘が陰刻
       嘉永二年(1849) 造立           文化九年(1812) 造立 

 山門から本堂へは一直線になっています。
 本堂の窓越しに、「弁財天像」を拝観することができました。


 
          山門                     山灯篭                   五層の石塔 
                            昭和十年(1935) 造立
 
          本堂                同 堂内 弁財天像                水子地蔵像
 
       根本伝教大師尊像               同 拡大画像           同 弁足下に大黒天と恵比寿尊像


 帰路は、黒目川遊歩道のウォーキングと楽しみました。


 
           黒目川                 遊歩道


 遊歩道沿いの向かいに、黒目川の鎮守「神山厳島神社」の鳥居が見えました。

 
          明神型鳥居                境内全景                  社殿


 宝泉寺から800mで門前大橋にでます。
 門前大橋と並行して、下流側に歩行者用の門前大橋歩道橋橋が設けられていました。


 
        門前大橋歩道橋               黒目川


 大橋通りを駅方向に南下する途中、商店街のスーパーの前に「門前稲荷大明神」がありました。

 
          神明型鳥居                   社殿                 お稲荷さま


 門前大橋から500mで、西武池袋線東久留米駅北口駅舎にでます。 
 なんとも古めかしく小さな駅舎ですが、この駅舎から北口商店街の一帯は、漫画「めぞん一刻」の舞台のモデルと
 なったと云われ漫画ファンには有名なところらしいのです。


 
          大橋通り               東久留米駅北口



 東久留米の中央部を東西に走る県道234号に沿って、北側に黒目川 南側に落合川が流れています。
 七福神寺を重ね合わせると、駅を真ん中にして菱形にウォークできるマップがつくれました。
 実際に巡ったお寺は5寺だけでしたが、雑木林や竹林・わき水・黒目川と落合川の清流など武蔵野の自然とのふれ
 合いも楽しめました。
 落合川を散策しながら「落合富士」に向かいましたが、富士塚は名前だけで実態は 二つの小塚があるだけでした。
 その代わり、その途中で出合った3ヶ所の「供養塔」は収穫でした。
 色々寄り道回り道をしましたので、時間を費やしましたが充実した1日でした。