入間市 寺院巡り

 今回は、元加治駅から入間市駅にかけて 「武蔵野三十三観音」の「東光寺」「龍円寺」「高正寺」「円照寺」の4寺
 を中心に巡ります。
 又、弁財天の「円照寺」と大黒天の「長泉寺」も併せて巡り、「武蔵野七福神巡り」を完結します。
 

 西武池袋線元加治駅北口に降りたったのは、9時50分でした。
 元加治駅は 西武鉄道唯一の無人駅(飯能駅で管理)で、プラットフォームは 西30%は飯能市、東70%が入間市とい
 う珍しいところに位置しています。
 元加治駅前を線路沿いに東へ進みます。


 
         元加治駅北口        線路脇よりプラットフォームを臨む


 150mほど進み踏切を渡ったすぐ右手に、武蔵野三十三観音霊場第22番札所かつ武蔵野七福神の弁財天を祀る
 「光明山正覚院円照寺」があります。
 山門は閉ざされていましたが、その左側には「地蔵像」「供養塔」、右側には三体の地蔵菩薩像を祀った「地蔵堂」
 があります。

 
        山門と寺院門碑             山門左側 地蔵像               同 供養塔  
                             明治四年(1871) 造立            宝暦六年(1756) 造立
 
        山門右側 地蔵堂             同 三体の地蔵菩薩像 
 
       同 左端の小地蔵像            同 左側の地蔵菩薩像           同 中央の地蔵菩薩像
 
       同 右側の地蔵菩薩像           同 右端の小地蔵像  

 山門左側の駐車場から、入らせていただきました。
 山門の左手に、入間市指定文化財に登録されている寄棟造りの「北向き不動堂」があります。
 境内中央に広がる心字池の中ノ島に、厳島から勧進された「弁財天堂」があります。


 
          百度石                 石灯籠   
                           天明二年(1782) 造立
 
          不動堂             不動堂脇に不動明王坐像
 
          弁財天堂                宝塔と石祠               一対の石灯籠
       寛保元年(1741) 造立                                宝暦十一年(1761) 造立

 心字池の向うに入り母屋造りの立派な「本堂」があり、右側に「鐘楼」四体の石仏が祀られる「地蔵堂」が並んでい
 ます。

 
          本堂                  石灯籠                  鐘楼
                           正徳二年(1712) 造立
 
          地蔵堂               同 四体の石仏
 
        同 聖観音像             同 弘法大師像と千手観音像            同 如来像


 入間川に架かる上橋を渡り、東南へ進みます。 仏子小学校辺りから緩やかな上り坂になります。

 
          上橋                   入間川                仏子小学校辺り


 円照寺から900mで、武蔵野三十三観音霊場第21番札所「諏訪山萬齢院高正寺」の寺院門碑が見えます。
     
 
         寺院門碑

 小川に架かる橋を渡ると、両側に沢山の石仏を祀る小屋が並んでいます。

 
          右側 七体の石仏
 
       同 左側三体の石仏             同 中央二体の石仏            同 右側二体の石仏
 
         左側 九体の石仏
 
       同 左側三体の石仏             同 中央三体の石仏            同 右側三体の石仏

 山門の左側にも、子育地蔵と二体の地蔵を祀る小屋がありました。

 
          山門                   地蔵を祀る小屋        同 子育地蔵像と左右二体の地蔵像 
 
        一対の石灯籠
      正徳二年(1712) 造立

 山門を潜ると、正面の先に「鐘楼門」が聳えて見えます。
 鐘楼門への石段の左右には、18体の怒り悲しみ喜びと表情豊かな「羅漢像」が並び迎えてくれます。


 
           鐘楼門              鐘楼門への石段前に羅漢像           左より 羅漢像1 
 
         同 羅漢像2                 同 羅漢像3                同 羅漢像4
 
          同 羅漢像5                 同 羅漢像6                同 羅漢像7 
 
         同 羅漢像8              青銅の聖観音像     
 
 鐘楼門を潜るとすぐ正面は、入母屋造りのどっしりとした「本堂」です。
 本堂左側の墓地入口には、ブロック塀の囲まれて「五基の板碑」が保存されていました。
 1基は入間市最古のものであり、全長224Cmで阿弥陀三尊の種子を刻んでいます。
 1基は入間市最大のものであり、全長255Cmで入間市指定の文化財です。


 
       本堂側より鐘楼門               本堂前 石灯籠               本堂前 石灯籠 
                           正徳二年(1712) 造立
 
          本堂               墓地入口 5基の板碑             同 拡大画像
                                            左2番目 建長二年(1250) 造立
                                            右2番目 建長八年(1256) 造立
 
       墓地入口 地蔵菩薩像             同 拡大画像          墓地入口 六地蔵像と中心地蔵像
 
           佛足跡                   太子堂                  招福殿


 高正寺から東へ進み、仏子駅からの道に沿い南方向 金子丘陵に向かいます。
 この辺りの山路は昔から「金子坂」と呼ばれ、交通量の多い市道幹線となっています。


 
      道路脇の芝桜がいい香り          金子坂 右が武蔵野音大方向 
 
            金子坂              金子坂交差点付近


 金子坂交差点を少し行くと、V字に八坂神社へのキツイ坂道があります。

 
          神社への坂道               神社名碑 


 高正寺から1,300mのウォーキングで、かなりの高台にある綺麗に整備された「八坂神社」に到着しました。

 
         神明型鳥居                 水舎                 宋風獅子型狛犬
 
          石灯籠               拝殿前 石灯籠             拝殿前 宋風獅子型狛犬
 
          拝殿                   本殿


 更に南下すると、信号の近くに龍円寺近道の案内がありました。

 
       案内があるの信号付近           龍円寺への近道       
     

 八坂神社から600m足らずで、武蔵野三十三観音霊場第20番札所「龍岳山歓喜院龍円寺」に着きました。
 正面 に入母屋造りの「本堂」が構え、がらんとした境内の左側に「鐘楼」「観音堂」の一角があります。


 
          本堂                 境内の左側                 鐘楼  

 観音堂への石段の左側に、石碑・石仏を安置した3つの「地蔵堂」がありました。

 
          地蔵堂1               左より 供養塔              同 日本廻国供養塔 
                              明和四年(1767) 造立          天明二年(1782) 造立
 
         同 地蔵菩薩像                 同 供養塔                 同 拡大画像 
        元禄八年(1695) 造立           享保十五年(1730) 造立 
 
       同 馬頭観世音の石碑             同 地蔵菩薩像
       文化十五年(1818) 造立  
 
          地蔵堂2              同 日切地蔵尊像 
 
          地蔵堂3                同 子育地蔵尊像 

 14段の石段を上ると市景観50選のひとつ唐様式破風造り瓦葺き屋根の「観音堂(新久千手観音堂)」です。

 
        観音堂への石段                水舎          
 
      観音堂前 宋風獅子型狛犬             観音堂 
 
        観音堂横 十一面観音像              同 拡大画像               一対の石灯籠  
                                                 元文六年(1741) 造立
 
            大師堂             同 弘法太子像と十一面観音像          馬頭観世音の石碑


 先ほどの信号を右折し東へ300mほど進むと、武蔵野三十三観音霊場第19番札所「法栄山遍照院東光寺」にでます。
 境内入り口に、屋根付きの地蔵菩薩像が立っています。


 
          寺院門碑               門碑左横 供養塔             門碑右横 地蔵菩薩像   
                             文化三年(1806) 造立

 寄棟造り瓦葺の「本堂」の前に、入間市指定有形文化財に登録されている 高さ113.2Cm・直径51.5Cm・周囲
 160.0Cmの古い「梵鐘」が置かれています。
 また本堂の左側に、宝形造りの「薬師堂」が建っています。


 
           鐘楼                  六地蔵像                 同 拡大画像
 
       弘法大師像と聖観音像               薬師堂                    本堂 
 
       市指定工芸品の梵鐘
       延宝二年(1674) 造立

 バス通りを更に北東に進むと、この辺りでは大きなスーパーさえき食品館がありました。

 
          バス通り              途中のしだれ桜             さえき食品館付近


 東光寺から400m さえき食品館の通りを挟んだ先に、旧村社「小谷田氷川神社」の鳥居が見えました。
 境内では、一間社流造柿葺の構造的美観を重視した建造物の「本殿-覆屋-拝殿」が一望できます。


 
         寺院名碑                神明型鳥居                境内への石段 
 
          石灯籠                  水舎                  百度石
 
        拝殿前 石灯籠              同 宋風獅子型狛犬               拝殿
 
        本殿-覆屋-拝殿     
 

 バス通りを離れ、さえき食品館の脇の道を南東に進みます。
 茶畑を通り過ぎると、住宅地を離れて山中に踏み込む感じです。


 
           茶畑                 山を下る感じ        


 下りの途中、「二体の石仏を納めた小屋」がありました。
 
 
        二体の石仏を祀る小屋             同 地蔵菩薩像               同 大日如来像
                                                 元文五年(1740) 造立

 氷川神社から450mほどで、草深い古寺の雰囲気を醸し出す「蔵徳山明王寺」があります。
 鳥居のような門の右横には、小さな地蔵を祀る小屋がありました。
 41段の石段を上ると、正面 に「本堂」、右に「庫裏」、左に「鐘楼」がこじんまりと配置されています。
 本堂の「鰐口」は、市内では蓮花院の鰐□についで古いもので、入間市指定有形文化財に登録されていています。


 
       鳥居型の門と地蔵小屋             同 地蔵菩薩像               41段の石段 
                             寛政五年(1793) 造立               
 
        和風獅子型狛犬              水舎 (水盤)                  本堂
       安政六年(11859) 造立           天保十年(1839) 造立         
 
           鰐口                  鐘楼
      元和四年(1618) 造立

 北東に350mほど進むと、久し振りに信号に出会いました。

 
        稲荷神社付近の信号          


 信号の先に「中野原稲荷神社」の鳥居が見えました。
 社殿へ向かう石畳と、それを取り囲む数十の真っ赤な鳥居が印象的で、入間市景観50選の一つに選ばれているようで
 す。

 
         明神型鳥居                 朱の鳥居群                石灯籠 
 
           水舎                 左側 二匹のお稲荷様            右側 二匹のお稲荷様 
 
           拝殿                  本殿


 更に東へに進むと、首都圏中央連絡自動車道を跨ぎ国道299号線にでます。

 
         牡丹が見頃                国道299号線            首都圏中央連絡自動車道


 国道の向かいに、目立って山田うどん小谷田バイパス店の店舗が見えます。
 丁度お腹が空いたので、(肉汁)つけ汁うどんを注文しました。 評判通りの美味しさでした。
 腹がくちたところで、高倉小学校を目印に茶畑の道を北東に進みます。
 高台にある高倉寺付近からは、入間市景観50選の加冶丘陵や秩父連山などの眺望が楽しめます。


 
    山田うどん小谷田バイパス店          茶畑の先に高倉小学校           高倉寺からの眺望


 中野原稲荷神社から1,400mのウォーキングで、「光昌山高倉寺」に着きました。
 寺院門を通ると直ぐに「仁王像」が出迎え、その左側には「六地蔵像」、右側には「地蔵堂」が配置されています。

 
         寺院門碑               左右の仁王像  
 
         六地蔵像                同 拡大画像
 
          地蔵堂                同 地蔵菩薩像
 
 正面の「楼門」中央欄間部分には、阿吽形の双龍の彫刻が施されており目を惹きました。
 また、なだらか曲線の優美な屋根を持つ「水舎」、こけしの様な七福神の木彫像を納める「七福堂」もユニークでし
 た。

 
          楼門前 石灯篭                 楼門                 楼門頭上 阿吽の双龍
 
           鐘楼                   石灯籠 
                            正徳二年(1712) 造立 
 
           水舎                   同 水盤                  七福堂   
                            文化三年(1806) 造立 

 楼門を潜ると、左手には国指定重要文化財の「観音堂」がどっしりと構えています。
 三間四面の観音堂は、室町時代初期に建立されたと推定されており、四方三間の入母屋造り軒が総反りの県内を代表
 する優れた古建築物です。


 
        観音堂前の石灯籠              観音堂 正面                 観音堂 側面
 
        二基の石碑・石仏            同 馬頭観世音の石碑            同 地蔵菩薩像
                            寛政四年(1792) 造立          元禄九年(1696) 造立
 
           本堂                本堂横 水子地蔵尊像        境内の一角に並ぶ仲よし地蔵像


 来た道の脇道を300mあまり南下すると、国道16号線にでます。

 
           脇道                 牡丹が綺麗                国道16号線

  
 国道16号線に面し「高倉氷川神社」がありました。
 屋根で保護された朱の鳥居と、その左側に「地蔵堂」があります。 


 
       保護された朱の神明型鳥居              地蔵堂                同 延命地蔵像 
 
            境内社

 国道に沿って60mほど南に、二之鳥居と「社殿」があり、石段の横に幾つかの石碑が並んでいました。

 
         神明型鳥居                 社殿                    水舎
 
           小社              小御嶽石尊大権現の石碑        石尊大権現/秋葉大権現の石碑
 
          石灯籠                 宋風獅子型狛犬
       天明六年(1786) 造立


 この辺りは高台にあたる為 苦労して下り口を探し、豊高橋まででて入間川の支流霞川に沿って扇橋に向かいました。
 霞川の豊高橋付近は、入間市景観50選のひとつに選ばれていてこの時期川沿いの八重桜が見事でした。


 
          豊高橋                  霞川                   扇橋 
 
     扇橋より 八重桜が満開の霞川          


 扇橋を渡り入間霞川団地を通り抜けると、創建は鎌倉時代の武蔵野七福神の弁財天を祀る「光福山長泉寺」です。
 氷川神社からは、花見をしながらほぼ1,000mのウォーキングでした。
 ここの大黒天は、豊臣秀吉が出世開運の守護神として護持されたうちの一体で「甲子大黒天」と呼ばれています。


 
         南側 寺院門               寺院門脇 石灯籠   
                            宝暦十一年(1761) 造立
 
         東側 山門              山門前 大黒天の石碑

 本堂の前には、「触り大黒」と書かれた高さ50cm位の木像が置いてありました。
 
 
           鐘楼                青銅の道元禅師像   
 
            水舎                  石灯籠
 
           本堂                 同 触り大黒           同 恵比寿様と剣を持つ大黒様


 門前の町屋通りを北へ、入間市駅方向へと向かいます。

 
          町屋通り


 100mあまり先に、通りに面して「豊岡愛宕神社」の鳥居が見えます。
 更に90mほど奥には、微かに二之鳥居が見てとれます。
 境内には、南朝の忠臣新田義興公に因んだ「義興の従者十三人の首塚」とか「新田義興の首塚之松」がありました。


 
        神明型一之鳥居             神明型二之鳥居               参道の石段
 
         境内社 蚕影神社               更に石段                 水舎
 
        和風獅子型狛犬                拝殿                 境内社 日枝神社
 
         十三塚の石碑               首塚之松の石碑               首塚之松


 更に町屋通りを北へ進むと、埼玉県道226号線と合流し入間市駅へと続きます。
 愛宕神社から800mの、駅ビル西武入間ペペ2階の西武池袋線入間駅南口に着いたのは14時20分でした。


 
      県道との合流 豊岡交差点          埼玉県道226号線
 
         入間市駅南口              駅前ロータリー



 2ヶ月かけての「武蔵野七福神巡り」も、今回で完結しました。 七福神巡りは、一挙に廻る方が印象に残ります。
 武蔵野三十三観音巡りと併わせて巡拝したので、一寸期間をおいたような感がしました。
 今回は8Kmあまりの巡路でしたが、天候と景観に恵まれてほとんど疲れが残りませんでした。 
 武蔵野三十三観音巡りは、次回で完結させます。