練馬石仏巡り (田島山11ヶ寺等)


 練馬の浄土宗寺院は、その多くは練馬の11ヶ寺に集まっていると知り、又我が家の宗派は浄土宗ということもあり、早速
 訪問することにしました。
 11ヶ寺は、みな浅草田島町の誓願寺の塔頭寺院(末寺)が独立 して関東震災後にこの地へ移転してきたということで、
 いずれも「山号は田島山」「寺号は誓願寺」となっています。


 都営地下鉄大江戸線豊島園駅を降りたったのは12時でした。
 地上出口の南方 白壁の通りに「田島山11ヶ寺」と彫られた立派な石柱対がありました。
 正面から見ると11ヶ寺が道路の左右に並び、その突き当たりの奥には共同で使用する墓地があります。


 
            豊島園駅              田島山11ヶ寺の入り口


 向かって右側から、「快楽院」「迎接院」「仮宿院」「受用院」「称名院」「林宗院」が並びます。

 「快楽院」は、寺院門を入って直ぐ右手に「南無阿弥陀仏の碑」がありました。

 
           寺院門                  石碑

 「迎接院」は、境内が木々で包まれこじんまりした清々しい寺でした。

 
           寺院門                 境内〜本堂
 
 「仮宿院」の本堂は、地上2階・地下1階の近代的な建物です。


 
         寺院門                    本堂            中心像の腹帯阿弥陀像と六地蔵像
 
        不動明王坐像

 「受用院」は、篆刻の先駆者池永道雲とか歌舞伎役者澤村家代々の墓を管理する由緒ある寺院です。

 
            山門                  本堂           

 「称名院」の山門を入って左側に、現代的な「如来堂」がありました。


 
            山門                  本堂                 青銅の聖観音像 
 
         如意輪観音像                 お堂               同 金色の阿弥陀如来像
       元禄三年(1690) 造立

 「林宗院」は、正面に石灯篭のある落ち着いた雰囲気の寺院です。

 
 
            山門                  石灯篭

 左側には、「仁寿院」「宋周院」「本性院」「得生院」「九品院」が並びます。

 「仁寿院」は、洋風の寺院門が珍しく、剣客千葉周作の墓があります。


 
           寺院門                   本堂  

 「宋周院」は、両サイドを木々で囲まれて落ち着いた境内でした。
 火袋と竿石に七福神が彫られているが珍しい「石燈籠」がありました。


       
            山門                  本堂               石燈籠の竿石に大黒尊

 「本性院」は、本堂の両脇に木製の仁王様を添えたユーモアのある寺院です。

 
           寺院門                  本堂                 木製の仁王像
 
            聖観音像                 地蔵堂                 同 延命地蔵
      享保十七年(1732) 造立

 「得生院」は、1軒屋の佇まいで、庭には石仏・石塔などが点在していました。
 庭の中央に配置されている宝篋印塔は、鎌倉・室町時代のものに比べて全体的に細長く、江戸時代のものと思われます。

 
            山門                  本堂                  聖観音像
 
            宝篋印塔                 境内社                  同 小社

 「九品院」の西側には「蕎麦喰地蔵」のお堂があり、唯一華やかな雰囲気です。
 脇には、地蔵像に囲まれて蕎麦を食べながら談笑している羅漢像もあり、楽しい空間を作っています。

 
           山門                  庫裏                    本堂 
 
        十一層の石塔                地蔵像                両脇の地蔵像
 
        蕎麦喰地蔵の辺り
 
           地蔵堂                同 蕎麦喰地蔵              同 踏石も石臼
 
         地蔵堂横の石仏群              内側 二体の羅漢像               内側 地蔵像 
                                                寛保四年(1744) 造立 
 
       左側二体の地蔵像              中央の地蔵像              右側二体の地蔵像
                           享保十四年(1729) 造立

 11ヶ寺中、石柱の寺院門が5寺・山門を構えているのが6寺ということになります。


 左右を寺院に囲まれたコの字型の突き当たりに、「三界萬霊塔」があります。
 これより先が、寺院共同の墓所になります。


 
         三界萬霊塔            同 拡大画像 阿弥陀如来像 

 墓所の中でも目を惹いたのが、札差として権勢を誇った「青地善春一族の墓所」でした。
 沢山の宝篋印塔の供養塔は、壮大なものでした。


 
       宝篋印塔の供養塔群             宝篋印塔
 
        同 基壇・基礎部               同 塔身部                 同 相輪・笠部
 
         宝篋印塔隣の一角                    狛犬の対門  
 
        地蔵菩薩像立像               地蔵菩薩像坐像

 各院の墓地の間に、ひっそりと無縁墓地がありました。

 
            無縁墓地               同 拡大画像 聖観音像

 受用院墓地の一角に、名優のきこえ高い「初代沢村宗十郎の墓」と書道家また篆刻の名人として有名な「池永道雲の墓」が
 あります。
 
          
 
         沢村家墓所           同 拡大画像 沢村宗十郎の墓 
 
         池永家墓所          同 拡大画像 硯の形をした道雲の墓


 11ヶ寺を巡拝し終えまだ陽が高かったこともあり、豊島園通りを1Kmほど北上し「大林山最勝院寿福寺」を訪れまし
 た。
 真言宗豊山派の古刹ですが、併設の幼稚園のほうが目立っているように感じました。
 門前には、「豊島八十八ヶ所霊場第十九番/弘法大師」の石碑がありました。


 
         寺院名碑と寺院門            弘法大師霊場の石碑                 本堂 
 
       南無大師遍照金剛像              慈母像                  御土砂塚
 
        三峯社 明神型の鳥居               同 小祠
 
            十羅刹社                同 十羅刹女像
 
           閻魔堂                同 閻魔大王像
 
       宮前地蔵尊のお堂              青面金剛像の庚申塔         地蔵尊像と青面金剛像の庚申塔
                            延宝三年(1675) 造立             右)宝永四年(1707) 造立


 寿福寺と同じ森続きに、通称春日さま「春日神社」があります。
 広い境内は雑木林になっており、散策にはもってこいの場所です。
 一画に「絵馬殿・神楽殿」などがあり、石囲いされており、日当たりの加減で程よく苔むしていました。

 境内の一角に「青面金剛庚申塔と小石祠」が、神楽殿の裏に「馬頭観世音の石祠」が祀られていました。
 社殿向かって右手に、境内社の「稲荷神社」が二社、左手に「三峯神社」と「第六天神社」が鎮座しています。

 
          神明型鳥居                 水盤                  神楽殿
                            天保七年(1861) 造立
 
            拝殿                    拝殿前の宗風獅子型狛犬
                                 大正六年(1917) 造立
 
         石祠と庚申塔              同 青面金剛の庚申塔像             馬頭観世音の石碑
                            宝永六年(1709) 造立         
 
     境内社 稲荷神社 明神型鳥居             同 社殿
 
  境内社 三峰神社・第六天神社 明神型鳥居          同 社殿


 西武池袋線豊島園駅に戻ったのは12時30分でした。
 豊島園を見学する元気が残っていないので、駅前のマックで一休みしてから帰宅します。


 
           豊島園                 豊島園駅