京都・丹後寺院巡り

 5月19日から22日にかけて、入社同期と京都・若狭経由丹後地方をドライブ旅行をしました。
 京都を中心として寺院・神社などを巡りましたが、その中で石仏・石塔などの石造物を主に掲載したいと思います。


 初日は、世界文化遺産登録の「東寺」「平等院」「宇治上神社」を拝観しました。
 当初予定の「萬福寺」「醍醐寺」は、時間切れのため拝観を断念しました。


 最初に廻ったのは、「五重塔・金堂・御影堂 (大師堂)」 など数多くの国宝を有する世界文化遺産「八幡山東寺」です。

 

 九条通りに出ると、やがて 高さ57mで 現存する古塔中最高の五重之塔 (国宝) が見えてきました。
 九条大宮交差点辺りからの五重塔が、最高のビューポイントなのではないでしょうか。
 丁度、「金堂・講堂・五重塔」「宝物館」「観智院」が特別公開となっていました。
 講堂内の仏像のあらゆるものが国宝・重文に指定されており、特に 日本一ハンサムといわれる帝釈の拝観は時間が長かった
 ように思えます。
 金堂には、薬師如来像を中心に、右に日光菩薩像・左に月光菩薩像、台座の周囲には十二神将が配置されていました。
 堂内は撮影禁止箇所が多く、その代わりにじっくりと拝観ができ、仏像美術の素晴らしさを堪能しました。
 五重塔は、5月一杯内部公開しているということでしたが、柵が閉じられていて残念!
 五重塔の前に、東寺の地主神さまをお祀りする「八嶋殿」があります。

 
        大宮通りからの五重塔             南大門                 寺院名碑
 
       青銅の弘法大師像                金堂                  講堂
 
          食堂                  境内 三体の仏像
 
        同 地蔵菩薩像               同 青銅の聖観音像              同 柳谷観音像
 
        境内 三基の石塔・石仏 
 
         同 宝篋印塔                  同 文字塔                同 石仏
     明治十七年(1884) 造立           明治七年(1874) 造立 
 
      境内 六基の石塔・石仏               同 宝篋印塔              同 文字塔 (東寺亀)  
                            元禄十一年(1698) 造立           嘉永六年(1853) 造立
 
     同 二百十六萬遍読誦供養塔           同 地蔵菩薩像                  同 宝篋印塔     
       文久元年(1861) 造立                                  延享三年(1746) 造立  
 
        同 仏舎利塔              同 内部の弘法大師像 
      明治二十五年(1892) 造立 
 
         毘沙門堂                同 国宝 兜跋毘沙門天像               鐘楼堂 
 
      寺内社八嶋殿 明神型鳥居             同 社殿                 同 石灯籠


 東寺の北大門を出て、直ぐ右手の東寺塔頭「観智院」です。
 宮本武蔵の筆による「鷲の図」(撮影禁止)、枯山水式庭園「五大の庭」等が有名です。


 
         観智院西門                  静観堂               同 弘法大師像
 
         庭園の石仏               同 地蔵菩薩像                同 六地蔵像  
 
       宝篋印塔の笠部
             
 北総門の脇に、不動明王を祀るお堂がありました。

 
           北総門                 不動堂                同 不動明王像


 京都の街中に、小さな石仏を祀る小祠を数多く見かけました。

 
           小祠1                 小祠2                  同 内部の小仏
 
           小祠3                同 内部の小仏


 十円硬貨の図柄になっている国宝「鳳凰堂」及び日本三名鐘の「鐘楼」を有する世界遺産「朝日山平等院」を拝観しまし
 た。
 平等院は、浄土宗の「浄土院」と、天台宗系の「最勝院」の2つの寺院が共同で管理しています。

 
 

 
           鳳凰堂                宝篋印塔
 
         塔頭 浄土院                同 念仏塔                 同 内部
 
         塔頭 最勝院               同 救世船乗観音像               鐘楼


 平等院から徒歩で宇治川沿いに進み、宇治橋を渡り「宇治上神社」に向かいます。
 宇治上神社は、宇治神社と共に宇治川を挟んで平等院と向かい合って建ち、共に対岸から平等院を鎮護する神社だったよう
 です。

 

 
           宇治橋              橋の袂の十三層の石塔

 橋を渡ると、「宇治神社」の一之鳥居が目を惹きます。
 離宮上社が「宇治上神社」と呼ばれているのに、離宮下社の宇治神社は「宇治下神社」とは呼びませんね。

 
 
        明神型一之鳥居             同 和風獅子型狛犬 
 
        同 和風獅子型狛犬              同 石灯篭
 
        明神型二之鳥居             同 和風獅子型狛犬 
 
          拝殿                   同 石灯篭

 宇治神社の東奥に、世界文化遺産の「宇治上神社」があります。
 「本殿 (国宝)」は、平安時代後期に建てられた一間社流造りの社を三つ並べた横長の作りで、現存する我国最古の神社建築
 です。
     

 
          明神型鳥居                 拝殿 
 
          本殿                 同 和風獅子型狛犬  
 
          稲荷神社                  同 お稲荷さま 


 2日目は、早朝の大原を、脚を延ばして「三千院」から「寂光院」にかけて、2時間ほどそぞろ歩きました。
 本日の行程は、「上賀茂神社」「南禅寺」「清水寺」「広隆寺」「蚕の社」「大酒神社」「大徳寺」「大覚寺」と巡り歩き
 ます。
 当初拝観予定の「銀閣寺」は、国宝観音殿(銀閣)の屋根葺き替え及び耐震工事を行っているということで今回はパスしま
 した。
 南禅寺では、「インクライン」「水路閣」といった、決して観光ルートではないが印象に残る光景も体感しました。
 夜は、祇園の街を楽しみ、舞妓さんにも遭遇しました。


 
        三千院 寺院門碑                 同 山門                 法華堂
 
     熊谷/腰掛石/鉈捨藪跡の石碑             勝林院                 同 梵鐘 (重文)
 
        法然上人腰掛石         道しるべ石 「右 寂光院」の陰刻            大原の風景
 
    道しるべ石 「左 寂光院」の陰刻           寂光院の石段                  小仏


 南禅寺に向かうに際し、「インクライン」を辿ってみることにしました。
 インクラインはわが国初めての試みで、琵琶湖疏水による京都・宇治川を結ぶ舟運ルートの一区画をなす傾斜鉄道のことで
 す。
 明治24年には、日本最初の水力発電所が蹴上に完成し,インクラインの運転動力もこの電力を利用しました。
 「水路閣」は,疏水事業の一環として施工された煉瓦造りアーチ構造の水路橋で,延長93.17m・幅4.06m・水路幅
 2.42mです。


 
      インクライン傍の端に小堂             地蔵堂                同 内部の小仏
 
        インクライン 線路跡             同 日本最初の水力発電所        同 煉瓦造りの水道橋「水路閣」  
 

 水路閣を過ぎると、「瑞龍山南禅寺」の境内にでます。

 

 門前右方の巨大な石灯籠は、佐久間勝之の奉献したもので、高さ6メートル余り大ささでは車洋一といわれており、俗に
 「佐久間玄藩の片灯寵」と呼ばれています。
 南禅寺の三門は、日本三大門のひとつで約22mの高さを誇ります。


 
          法堂                同 内部 釈迦三尊            佐久間玄藩の片灯寵
 
          三門                同 楼閣 開祖大明国師像          同 楼閣 宝冠釈迦座像     

 南禅寺の塔頭のひとつ「金地院」も拝観しました。
 黒衣の宰相金地院崇伝を祀る「開山堂」には、37歳の崇伝和尚像の左右両側に十六羅漢像が安置されています。
 「東照宮」は、京都唯一の権現造り様式を遺す建物で、国の重要文化財に指定されています。

 
          山門                  石灯篭                  一石二仏像
 
       東照宮(重要文化財)               開山堂
 
        同 左側 十六羅漢像             同 中央 崇伝和尚像            同 右側 十六羅漢像


 清水寺では、観光バスの大渋滞で、駐車場探しにかなりの時間を割きました。
 清水寺へ向かう途中にも、地蔵を祀る小堂が数多くありました。


 
           地蔵堂1               同 内部の小仏 
 
           地蔵堂2               同 内部の小仏  
 
           地蔵堂3                地蔵堂4


 観光客でごったがえす清水坂を上り、世界文化遺産「音羽山清水寺」の正門「仁王門」に着きました。

 

 「清水の舞台から飛ぶ…」の諺で有名な「本堂」は、正面36m強・側面約30m・棟高18mの大堂で、その舞台は錦雲渓の
 急崖に約190u総桧板張りの懸造りにして張り出し、最高12m強の巨大な欅の柱を立て並べて支えています。


 
           仁王門                同 和風獅子型狛犬           三重塔横 岩船山地蔵像
 
        轟門付近 宝塔と宝篋印塔             釈迦堂横の地蔵堂             同 地蔵菩薩像
 
         本堂と舞台                舞台の骨組み
 
   本堂 本尊 十一面千手観世音菩薩立像      同 ブロンズのふれ愛観音像 
 
         百体地蔵堂                同 内部
 
   法華塔前のお水を観音様に掛けます             法華塔
 
        ぬれて観世音像                拡大画像
 
         阿弥陀堂                同 法然上人像             同 阿弥陀如来坐像
     
           奥の院                  同 小堂                  同 不動明王像

 参道の塀の傾斜地に、石仏がちりばめられて位置されていました。

 
         地蔵菩薩像                石仏1                   石仏2
 
           石仏3                   石仏4                  石仏5
 
           石仏6                   石仏7                  石仏8
  
         九層の石塔


 東映太秦映画村を車窓から横目に見て、太秦の「蜂岡山広隆寺」に着きました。 
 時間が遅かったこともあり、観光客の姿は見られず、閑散とした境内を拝観させて頂きました。
 「霊宝殿」の広い堂内一杯に、国宝の「木造十二神将立像・木造千手観音立像・木造不空羂索観音立像・木造阿弥陀如来坐
 像」等が整然と安置されていました。
 いずれもが雄大で見惚れてしまいましたが、最も感動したのは、国宝第一号の「弥勒菩薩半跏思惟像」でした。


 
      南大門 (内側から撮影)           同 阿吽の仁王像
 
      本堂 (上宮王院太子殿)             同 内部    
 
           地蔵堂                同 腹帯地蔵尊像               弁天島経塚 
 
     京都最古の建物とされる講堂        同 阿弥陀如来坐像 (国宝)              鐘楼


 広隆寺南大門から徒歩で、絹織物の神・祈雨の神「蚕之社」に向かいました。
 境内の元糺(もとただす) の空池に、上からみると三角形に見える京都三珍鳥居の一つ「三柱鳥居」がありました。
 三柱鳥居は、三本の柱を三つの島木と貫でつないだ神明型の石鳥居で、真ん中には組石の神座が作られ、その狭い空間が凝
 縮された聖域として三方から拝めるようになっています。


 
         神明型鳥居               鳥居前 石灯篭            「かいこのやしろ」の石碑
 
         摂社 蚕養神社              石製三柱鳥居               同 上部より
 
           境内社               同 お稲荷さま


 とんちでお馴染みの一休和尚や、沢庵和尚が住まわれたと云われる「龍宝山大徳寺」に急ぎました。
 時間が遅かったこともあり、観光客の姿は見られず、閑散とした境内を拝観させて頂きました。


 
          山門                 石灯篭 
 
         平康頼之塔                  拡大画像
 
          仏殿                 同 阿弥陀如来坐像 
 
         千躰地蔵塚                  同 石仏群1
 
         同 石仏群2                同 石仏群3                同 石仏群4


 3日目は、早朝の嵐山・嵯峨野を2時間近く歩きました。 
 今日は、京都を離れ丹後へと向かいます。
 いかにも山寺といった感の「高山寺」「常照皇寺」そして「かやぶきの里」「天橋立」「伊根の舟屋」「経ヶ岬」へと脚を
 延ばしました。

 早朝の嵐山は、渡月橋にも車の往来がなく、穏やかな風景を見せていました。
 世界文化遺産「天龍寺」の境内も、森閑としていました。


 
         天龍寺 寺院名碑             同 航空安全の飛運観音像           同 東向大黒天の石碑
 
       同 道沿いの四面仏塔              同 小仏 
 
         同 不動明王像            同 観音像と一石二仏像
 
 嵯峨野の始まり「野宮神社」から、竹林の小径を「二尊院」へと向かいました。
 この辺りは、小倉山歴史的風土特別保存地区に指定されている風情豊かな散歩路です。


 
           嵯峨野                  野宮神社                  同 拝殿    
 
           二尊院               二尊院付近の神社               同 お稲荷さま


 嵐山を抜け周山街道に入り高尾山麓へと回った栂尾と呼ばれる辺りに、世界文化遺産「栂尾山高山寺」があります。 
 街道からの参道を上りきると、国宝「石水院」の山門が見えます。 高山寺で山門らしき建造物はこれだけでした。
 鎌倉時代初期に、明恵上人が栄西禅師から送られた茶種を植えたところとして有名らしく、境内には「日本最古の茶園」と
 か「仏足石茶道」なる石碑が建っていました。 


 
         寺院名碑                石水院 山門               青銅の聖観世音菩薩像
 
       日本最古之茶園の石碑               佛足石茶道 
 
        佛足石のお堂               拡大画像 佛足石                  宝塔
 
           開山堂                 金堂 (本堂) 


 高山寺を後に周山街道 (国道162号線) を北へ、田んぼや藁葺き民家を眺めつつ暫らく走ると「大雄名山常照皇寺」に出ま
 した。
 寺院は、京都府「歴史的自然環境保全地区」にあり、山寺としての風格が漂ってきます。 
 「開山堂」では、両側上にライトアップされた十六羅漢像が睨みを利かせ、奥の間に北朝初代上皇光厳院像が安置されてい
 ます。

 
       駐車場 青銅の聖観音像              山門                   鐘楼
 
         二体の石仏                  五重塔               ミニチュアの多宝塔
 
           無縁塔                   同 石仏
 
          方丈 
 
         同 内部の仏像1             同 内部の仏像2             同 内部の仏像3
 
           無開山堂
 
         左側 十六羅漢像1              左側 十六羅漢像2              中央 釈迦如来像
 
       中央 阿弥陀如来像              右側 十六羅漢像3            右側 十六羅漢像4
 
        阿弥陀如来像
 
          同 元住職像               同 ミイラに似た像                同 光厳院像


 「かやぶきの里」は、集落全体が「重要伝統的建造物群保存地区」に選定されている、谷間の緩い傾斜地に密集した山村で
 す。
 500戸ほどの集落ですが、うち38戸が茅葺き屋根で、かやぶき民家の数は、岐阜県白川村萩町・福島県下郷町大内宿に
 次いで全国第3位となっています。


 
        かやぶきの里 入り口                地蔵堂                 同 地蔵菩薩像
 
        かやぶきの民家


 90分ほどのドライブを経て、京都府宮津市の宮津湾にある景勝地である「天橋立」に到着です。
 天橋立は、延長.36qの砂嘴で、智恩寺境内を含む橋立付随地及び傘松公園を含めた総称となっています。


 
      天橋立運河沿いに二体の石仏            同 拡大画像                  廻旋橋
 
    松並木の中に阿蘇海に面し浪切地蔵像           同 拡大画像            ビューランドからの天橋立

 天橋立南端にある「三人寄れば文殊の知恵 」でお馴染みの「文殊山智恩寺」にも、駆け足で立ち寄りました。

 
         山門 (黄金閣)                本堂 (文殊堂) 
 
         同 吽の狛犬2組             同 阿の狛犬2組


 最終日 (4日目) も早朝に起き出し、「琴引浜」を歩き「間人漁港」にて獲れたての鮑をゲットしました。 
 大阪へ戻る道すがら、「籠神社」「真名井神社」「豊岡コウノトリの郷」「出石城下」「出石神社」を拝観しました。
 予定をオーバーしたため、「丹波篠山」「丹波立杭陶の郷」の散策は断念しました。

 天橋立の対岸に位置して、山陰道一の大社「籠(この)神社」がありますが、その歴史は神代の時代まで遡り、伊勢神宮の元
 になったとされています。
 拝殿前に、鎌倉時代造立の石の狛犬では日本一とされている重要文化財「阿吽の狛犬」が配置されていました。
 名作ゆえに魂がこもり、夜な夜な天橋立に遊びに出て、村人に魔物と間違えられ、岩見重太郎に前足を切られたという伝説
 が残っているそうです。


 
      寺院名碑と神明型鳥居               拝殿               同 重文 和風獅子型狛犬
 
        境内 和風獅子型狛犬            境内社 真名井稲荷            天然記念物さざれ石 産霊岩


 籠神社の奥宮にあたる、北東約400m先の「真名井神社」にも脚を延ばしました。
 真名井神社には磐座が残っており、太古からの聖地で祭りの場であったものと思われます。
 向って右側が豊受大神の「磐座主座」、左側が天照大神・伊射奈岐大神・伊射奈美大神の「磐座西坐」とされています。


 
           神明型一之鳥居                地蔵堂                同 波せき地蔵尊像 
 
         剥落した石仏
 
           神明型二之鳥居             同 狛犬ならぬ狛龍                産盥
 
          磐座主座 (社殿)        同 和風獅子型狛犬 (神犬獅子王丸の銘) 
 
           磐座西座              同 天照大神小宮霊畤


 旧出石藩の城下町「出石町」は、伝統的建造物群保存地区で、現在も残る風情のある町並みは但馬の小京都と呼ばれていま
 す。


 

 
      出石城の見張り櫓 辰鼓楼             登城門
 
         山里曲輪                   稲荷台

 出石にも、小仏を祀る小さなお堂が沢山見受けられました。

 
         神社の横に小堂                同 小堂 
 
         民家の前に小堂                同 小仏
 
         神社の横に小堂                同 小堂                   同 小仏

 街中にはお寺さんが多いのですが、比較的広い境内を有しているのが「本高寺」でした。
 境内の一画には、境内社の「妙見宮」がありました。


 
          山門                 門前に念仏塔
 
          本堂                   妙見宮                同 宋風獅子型狛犬


 出石城下の北のはずれに、但馬国一之宮「出石神社」があります。
 新羅の王子だった天日槍を祀ったとの言い伝えがあることから、一之宮の祭神が異国の神であるのは、但馬一国だけと云わ
 れています。


 
         明神型一之鳥居                参道                  神社名碑
 
         明神型二之鳥居              同 和風獅子型狛犬      
 
          神門                 同 旧鳥居残欠
 
          拝殿               同 木製和風獅子型狛犬