狭山市 寺院巡り

 今回は、西武新宿線狭山市から西武池袋線入間市にかけての約4Kmを、「武蔵野三十三観音」の「徳林寺」「慈眼寺」
 「蓮花院」を主として巡ります。
 

 西武新宿線狭山市駅西口に降りたったのは、9時30分でした。
 駅右側の工事中の路を北西に進みます。


 
          狭山市駅北口                工事中の路


 300mほどで、道路に面して「福徳院」への石段がありました。
 石段の途中に、「馬頭観世音の石碑」と「供養塔」が安置されています。
 また、空滝風の空間に「不動明王像」が配置されていました。


 
          39段の石段                 石造物 
 
       同 馬頭観世音の石碑          同 馬頭観世音の石碑と地蔵菩薩像            同 馬頭観音像 
                                                  寛保元年(1741) 造立
 
          空滝風の一角              同 不動明王像


 石段を上がった境内にの正面に「福徳院不動尊」が控えています。


 
          水舎                  不動尊
 
     二基の大乗妙典千部供養塔            同 拡大画像                 如意輪観音像
 
        大乗妙典千部供養塔             同 拡大画像                宝篋印塔

 不動尊の隣に朱が鮮やかな「観音堂」があります。
 観音堂の背後には、遠くからでも臨める4mもの巨大な観音様が聳えていました。


 
          観音堂                同 凝った香台              同 釈迦如来像 
 
          大きな観音像


 駅に続く旧市街地の賑わいから一歩入った脇道を進むと、200mあまりで武蔵野三十三観音霊場第17番札所
 「福聚山徳林寺」の裏側に出ます。 先ほどの、福徳院の東側裏手にあたるようです。
 正面に廻ると軒の反りが美しい二層の楼門があり、その前に、「六地蔵像」「交通安全地蔵尊」が配置されています。

     
 
          寺院の裏側                 六地蔵像                 同 拡大画像
 
          楼門              山門左側 交通安全地蔵尊像            同 拡大画像

 楼門を潜ると左に六角の「地蔵尊堂」があり、堂の横に「耳の不自由な人がよく聞こえますように」との願いを込めて納め
 られた穴の空いた石が沢山置かれていました。
 また、堂の左右には一対の「三地蔵石憧」が配置されていました。


 
          地蔵尊堂                 4体の地蔵像              同 左側 地蔵菩薩像 
 
    同 中央 延命子育耳地蔵菩薩像           同 右側 地蔵菩薩像            同 中央下 地蔵菩薩像 
      元禄六年(1693) 造立
 
          穴あき石  
 
       左側の三地蔵石憧                 同 拡大画像
 
       右側の三地蔵石憧                 同 拡大画像 

 本堂を中心とした境内は、「庫裏」「薬師堂」「鐘楼」「七観音堂」などが周りを囲みます。

 
          本堂                 菊型天水鉢                  石灯篭  
 
          庫裏                   鐘楼
 
          二体の石仏                 同 観音像              同 大般若経供養塔(地蔵像) 
 
          線彫りの観音像                 薬師堂                   同 薬師如来像
 
         七観音堂                   同 馬頭観音像               同 不空羂索観音像 
       寛政五年(1793) 造立
 
        同 准胝観音像                 同 千手観音像              同 十一面観音像
 
          同 聖観音像               同 如意輪観音像   

 墓地入口辺りに、蓮華座の上に乗る丸彫りの5体の石仏が並んでいました。


 
          5体の石仏
 
        同 左2体 釈迦如来像            同 中央 地蔵菩薩像        同右2体 (左) 薬師如来像
        宝永六年(1709) 造立                                    宝永六年(1709) 造立 
                                                  (右) 地蔵菩薩像


 徳林寺を北へ70m、七夕通りの向かいに「天満天神社」の鮮やかな朱の鳥居が目に入りました。


 
     屋根付きの鳥居と神社名碑              神明型鳥居    
 
          拝殿                  同 拡大画像  


 天満天神社の裏通りを西へ180mほど進むと、御嶽教信国教会の名を有する「大国神社」に出ます。


 
          明神型鳥居              鳥居横 一対の石灯篭           さくら草とボケの花が綺麗
 
        宋風獅子型狛犬              拝殿前 一対の石灯篭               拝殿


 大国神社を北に120mほど進むと、自治会館の前に「石橋供養塔」がありました。
 先達数人のグループが丹念に調査をしていましたので、少し時間をおいてから拝観させていただきました。


 
          石橋供養塔                同 拡大画像             同 (上部)馬頭観音像
                            安永十年(1781) 造立  

 石橋供養塔を500mほど南に進むと、埼玉県道50号所沢狭山線沿いに旧入間川村の総鎮守「八幡神社」の鳥居が見えます
 。
 参道は階段になっていて、上って行くと広々とした境内があり、狭山市駅の近くにありながら静寂な雰囲気に包まれていま
 した。
 本殿は、唐破風向拝付千鳥破風付入母屋造りの建物で、周囲には彫刻が施されており、狭山市指定文化財になっています。

 
     県道50号線に鳥居が見える
 
       神明型一之鳥居と神社名碑          参道途中の石灯篭               階段の先に鳥居
 
          明神型二之鳥居                 水舎
 
          拝殿前の灯篭             同 和風獅子型狛犬                   拝殿

 
          本殿
      享和二年(1802) 造立       

 「思兼神社」「琴平神社」「八雲神社」「大鷲神社」等の境内社が、境内を囲んでいます。

 
          境内社                 砲弾の碑
 
       思兼神社 神明型鳥居              同 石灯篭                  同 社殿
                           寛保三年(1743) 造立  
 
        八雲神社 神明型鳥居               同 石灯篭                  同 社殿
 
       大鷲神社 明神型鳥居         同 痘神社と高良神社の石祠  
 
         同 大鷲神社の石祠          同 甚兵工大権現と御嶽山の石祠
 
       琴平神社 明神型鳥居        同 石尊大権現等と彫りのある石灯篭            同 社殿
        文化十一年(1814) 造立  
 
      入間川神社 神明型鳥居             同 左側の石灯篭   
 
         同 右側の石灯篭                同 社殿


 緩やかな上りの埼玉県道50号所沢狭山線を 更に280mほど南下すると、武蔵野三十三観音霊場第16番札所
 「妙智山慈眼寺」の寺院門碑が見えます。
 また、「三界萬霊等」及び「供養塔」の石碑と石仏が、県道に向かって建っていました。


 
    県道沿いに建つ二基の石碑と石仏            同 拡大画像                寺院門碑 

 参道を上がって行くと、「六地蔵」工事中の「鐘楼」「本堂」と続いています。

 
         六地蔵像                同 拡大画像                 鐘楼
 
          本堂                板碑と無縁供養塔の石碑             馬頭観音の石碑
 
         ○王大権現の石碑             二体の地蔵菩薩像


 狭山市駅入口交差点を右折し、駅とは逆の西へ向かい進みます。
 車の流れが激しい中、狭山の街並みを眺めながらゆっくりと下っていきます。


 
          狭山の街並み           中央児童館東交差点付近


 先ほどの七夕通りから続く道と合流の中央児童館東交差点の北西角に、「庚申堂」がありました。

 
          庚申堂 全景               庚申塔の水鉢                 庚申堂
                           安政2年(1855) 造立  
 
      青面金剛像の庚申塔 上部               同 中部                  同 下部

 

 中央児童館東交差点を左折し、稲荷山公園に向かい南下の途中に「稲荷山稲荷神社」があります。
 慈眼寺からは、丁度900mほど南西に当たります。


 
          稲荷神社                神明型鳥居   
 
          社殿                 同 内部の社殿


 狭山稲荷山公園のこの付近は、昔は岩石が露出し険しい坂道で「石無坂」と呼ばれていたそうです。
 この辺りから、稲荷山公園駐車場へ向かう花見の車で渋滞が始まっていました。

 
 
          石無坂付近              稲荷山公園辺りの渋滞


 「狭山稲荷山公園」は、アメリカ軍の空軍基地 (ジョンソン基地) が日本政府に返還されたのを機に芝生公園として整備され
 たもので、約300本の桜が満開でした。

 
        狭山稲荷山公園                満開の桜                 木道


 稲荷山公園の中央から北西へ伸びる細い木道を降りていくと、「鵜ノ木愛宕神社」があります。
 稲荷神社からは、550mほど南西に進んでいます。
 社殿の脇に、赤い「命」の文字が印象的な小さな社殿がありました。


 
         神明型一之鳥居              明神型ニ之鳥居           社殿前の和風獅子型狛犬
 
          社殿                  命の社殿                  同 お稲荷様  


 150mほど東へ進むと、国道16号線の向うに移設されたばかりの朱の鳥居が鮮やかな「第六天神社」がありました。

 
      国道16号線沿いに朱の鳥居        同 神社名碑と神明型鳥居             同 社殿


 更に120mほど北西に進むと、「薬王山長栄寺」があります。
 境内の右側に、「健脚観世音菩薩」「おさめ地蔵」などが整然と並んでいました。
 特に、健脚観世音菩薩の膝・脚を丹念に触り、末永い健脚祈願をしました。
 左側には、「鐘楼」「六地蔵」が配置されていました。


 
          寺院門碑                境内右側          
 
        健脚観世音菩薩像               同 拡大画像
 
          おさめ地蔵像               同 拡大画像             青銅の弘法大師像
 
          佛足跡                 鐘楼                     水舎  
 
          六地蔵像                 同 拡大画像                 本堂
 
        二基の石仏・石碑             同 馬頭観世音菩薩像           同 馬頭観世音菩の石碑 


 国道16号線の側道を西へと進みます。
 霞川に架かる万年橋を渡ると直ぐに、蓮花院の土塀の一角が見えます。


 
        国道16号線の側道               万年橋                  霞川


 長い土塀に沿って、重厚な石灯篭が4基並んでいます。
 その中央に、武蔵野三十三観音霊場第18番札所「世音山蓮花院妙智寺」(黒須観音) の寺院門碑がありました。
 長栄寺から550m進みました。


 
          長い土塀                 同 石灯篭                  寺院門碑         
                             正徳二年(1712) 造立 

 門から真っ直ぐに「観音堂(本堂)」が見え、その参道には石の寄進灯籠が続けて並び壮観さを覚えました。
 参道の途中には、「六地蔵像」「鐘楼」「水舎」等が配置されていています。
 方形造り瓦葺き屋根の観音堂の「鰐口」は、入間市指定文化財で直径38Cmの重量感にあふれた作品です。


 
        長い参道の先は観音堂              六地蔵像                 同 拡大画像
 
          鐘楼                  水舎                   同 水鉢   
                                                 嘉永二年(1849) 造立 
 
          根本山の石碑                山門                  観音堂への参道
 
          観音堂(本堂)                  鰐口                 青銅の弘法大師
                           寛正二年1461) 造立 
 
          無縁塔                 童子像                 不動明王像

 更に、幾つかの小堂が建ち、石仏が安置されています。

 
          大師堂1              同 弘法大師と観音像
 
          大師堂2              同 弘法大師と観音像          
 
          観音堂                 同 慈母観音像               同 拡大画像
  
 境内は、入間市より「ふるさとの森」に指定されている通り、楠・欅・檜・杉などの大木が境内を覆い緑一杯の空間でした
 。
 駐車場奥に安置されていた三基の馬頭世観音の石造の内、一基の両側面に「右ハ○○川コヘ」「左リハ□□」と陰刻があり
 ました。

 
      入間市指定ふるさとの森             十三層の石塔             青銅の聖観音像 
 
          三基の石造              同 左 馬頭観世音の石碑 
                            嘉永七年(1854) 造立
 
         同 中央 馬頭観音像            同 右 馬頭観世音の石碑           同 右 両側面の道しるべ
       天明三年(1783) 造立

 駐車場の更に奥、寺院の裏口に当たる正面に重厚な門がありました。
 門の前には、「宝篋印塔」「供養塔」等が配置されていました。


 
          山門                 山門前の空間                宝篋印塔   
                                                 文化四年(1807) 造立
 
        池の小島にお堂               供養塔
 
        小高い丘に供養塔               同 拡大画像                同 愛染明王像


 広い蓮花院墓地沿いに南下すると、霞川に架かる向橋に出ます。
 霞川を渡ると程なく、国道16号線を跨ぐ歩道橋があります。
 歩道橋の上からは、大正時代建造の迎賓館「旧石川組製紙西洋館」が臨めます。


 
          向橋                   霞川 
 
      歩道橋から 国道16号線          同 旧石川組製紙西洋館


 趣きのある坂道を上って行くと、入間駅のフラットホームが見えます。 蓮花院からは600mかかりました。
 むき出しのプラットフォームの脇を通り西武池袋線入間駅北口に着いたのは、予定よりも早い12時40分でした。

 
        駅までは趣きのある坂道          西武池袋線狭山ヶ丘駅        



 狭山市から入間市にかけての南西4Kmに点在する寺院・神社を巡りましたが、川縁を覆う桜・緑地一杯に咲き誇る桜に心
 も躍る一日でした。
 お弁当でも用意をして、ゆっくりと花見で魅する余裕があったはずですが、狭山稲荷山公園で木道を探すのに手間取り、慌
 しく右往左往したのが悔やまれます。
 また、中央児童館東交差点の「庚申堂」に祀られていた「青面金剛像の庚申塔」は、大きく印象的でした。