中野石仏巡り 2(上鷺・鷺宮・白鷺地区)


中野史跡巡りルートのうち、中野区鷺ノ宮駅付近の「交通厄除地蔵尊⇒福蔵院⇒八幡神社⇒願かけ地蔵」を辿ってみました。
併せて、「鷺宮八幡神社」で新型コロナウィルス退治の茅ノ輪くぐりができると知り楽しみです。

       
                 中野史跡巡りの案内ルート



9時に、西武新宿線鷺ノ宮駅南口を出発します。
目の前の妙正寺川に沿って西へ向かい、中杉通り(都道427号線)に出ます。
妙正寺川に架かる八幡橋を渡ってすぐの交差点角に、小堂が見えます。


         鷺ノ宮駅南口               妙正寺川

         八幡橋                 交差点角に小堂



駅から150m、中杉通りに面して 日本で最初の交通安全の地蔵尊「交通厄除地蔵尊」がありました。
地蔵尊の脇には、妙正寺川を改修した時に近隣から集められた数体の石仏と庚申塔が安置されています。
境内入口の横に道標があり、正面に「向 福蔵院」左側面に「左 三宝寺」右側面に「右 子ノ権現」の陰刻がありました。
また 地蔵堂の奥には、前時代的なデザインの「妙正寺川改修記念塔」があります。


     交通厄除地蔵尊の一角                地蔵堂               同 交通厄除地蔵尊
                                               昭和十二年(1937) 造立

      地蔵堂脇の石仏群           同 交通事故死亡者供養塔            同 聖観音菩薩像

      同 地蔵菩薩坐像              同 地蔵菩薩立像           同 青面金剛像の庚申塔
                                              寛保二年(1742) 造立

        同 地蔵像                  道標                  同 左右の側面

      妙正寺川改修記念塔



交差点を左側に向かいます。
福蔵院の案内看板の脇に、小さな道標があり正面に「向 三宝(寺)」左側面に「左 福蔵(院)」の陰刻がありました。
突き当りの福蔵院北門を右折し、八幡神社の社地の脇に沿ってなだらかな坂道を進みます。 


       交差点左側に案内看板              道標


         福蔵院北門                なだらかな坂道


交通厄除地蔵尊から180mで、創建が1064年とされる「鷺宮八幡神社」に着きました。
源頼が東国征伐の後、鎌倉街道に面した当地に源氏の隆昌を祈願して創建したと伝えられています。 この地には鷺が多く生息していたことから、「鷺宮八幡・鷺宮大明神」と称されたとのことです。 


                        境内図


道路から拝殿まで、参道が一直線に続いています。
二之鳥居に宮司手造りの役病退散「茅の輪」が誂えられていて、案内の看板がありましたので 新型コロナウィルス退散の願いを込めて作法通りに潜らせていただきました。
参道に二対、拝殿前に一対の計三対の狛犬が出迎えてくれます。
境内の右側には、「手水舎」「神楽殿」が配置されています。
境内の左側には、「力石」<稲荷神社・御嶽神社・八雲神社・北野神社・粟島神社・疱瘡神社>の六社を祀る「六社さま」が配置されています。


        一之鳥居              明神型二之鳥居と神社名碑            同 手造りの茅の輪

         参道              参道 宗風獅子型狛犬(獅子山)           参道 和風獅子型狛犬

         参道 石灯籠                手水舎                  神楽殿


         境内の左側               15個の力石           同 力石(
三拾六〆余・四十五〆余)

      境内社 六社さま               同 内部

       拝殿前 宗風獅子型狛犬              拝殿                  絵馬殿


拝殿の右奥には、境内社「稲荷神社」「御嶽神社」があります。


       拝殿奥に境内社             稲荷神社 明神型鳥居              同 社殿

        同 内部                  同 水盤

      御嶽神社 明神型鳥居              同 社殿                 同 水盤



八幡神社前の道を東へ向かうと、右側の墓地の入口に「地蔵堂」がありました。


        神社前の道


小堂には、風化が進む「北向き地蔵(瘤取り地蔵)」が祀られています


         小堂                同 北向き地蔵像               同 拡大画像



八幡神社から100m、小堂の向かいは 御府内八十八ヶ所霊場14番札所「白鷺山福蔵院正幡寺」です。
山門迄の両壁は築地塀と思われるるが、右側の塀は蔦が絡み野趣あふれる雰囲気です。
そのグリーンを背景に、二体の「地蔵菩薩像」と「弘法大師碑」が並んでいます。
参道の左側には、「馬頭観世音菩薩供養塔」が配置されています。


         参道              デザイン化された築地塀             二体の石仏と石碑

       同 地蔵菩薩像              同 子授地蔵菩薩像              同 弘法大師碑
                           明治三十四年(1901) 造立           文政九年(1826) 造立

        寺院名碑              馬頭観世音菩薩供養塔            同 馬頭観世音像


参道を入ってすぐ右手には、初七日から三十三回忌までの死後の十三の忌日をつかさどる仏菩薩十三仏」の覆屋があります。 1666年の大日如来像から順に作られ1685年の普賢菩薩像に至る十九年間に造立され、途中五体が破損したため1796年に再建されたとのこと。 都内でも十三体揃った石像は珍しいとのことです。
十三仏の覆屋の右横に、小堂に祀つられた「地蔵尊」とその脇に二体の石仏が配置されています。
十三仏の覆屋の左横に、道標があり正面に「弘法大師道」左側面に「是ヨリ福蔵院みち/壱丁」右側面に「右 石神井江一里十丁」と陰刻があります。
十三仏の覆屋の裏側に、大きな「永代供養塔」を中心にたくさんの無縁仏が並んでいます。


         山門                   境内                十三仏の覆屋

虚空蔵菩薩・大日如来・阿閃如来・阿弥陀如来  同 勢至菩薩・観世音菩薩・薬師如来      同 弥勒菩薩・地蔵菩薩・普賢菩薩

   同 文殊菩薩・釈迦如来・不動明王         向い側の六地蔵像

     覆屋の右横 三体の石仏          同 剥落した観音像・地蔵菩薩像         同 小堂の地蔵菩薩像

        覆屋の左横 道標              同 左右側面             覆屋の裏側 永代供養等


境内には、「拝殿」を囲むように「子育地蔵尊」青銅の「弘法大師像」「弘法大師の供養塔」「宝篋印塔」「三猿の庚申塔」「十三層の石塔」などが配置されています。
更に、一段と高みに「鐘楼」が見えました。
「庫裏」の前に、自然石の「本尊不動明王碑」「水盤」が配置されています。


       子育て地蔵尊               同 拡大画像

     修行大師(弘法大師)像            弘法大師の供養塔                宝篋印塔

       三猿の庚申塔                十三層の石塔                  本堂
     天和二年(1682) 造立

         鐘楼                  同 梵鐘                  庫裏
                           寛延二年(1749) 鋳造

       二基の石造              同 本尊不動明王碑                同 水盤


本堂裏側の参道らしき道の先に、崖地に穴を掘った「垢離不動尊の石室」がありました。
二体の「不動明王像の供養塔」が安置されていました。


       本堂の北側参道             垢離不動尊の石室

       二基の供養塔                同 不動明王像                同 不動明王像



中杉通りに戻り、交差点を右折します。


    中杉通り 白鷺一丁目の交差点        中杉通り 白鷺二丁目の交差点



福蔵院垢離不動尊の石室から650m、白鷺二丁目交差点の変則的な五差路の角に 五体の石仏が並んだ「庚申塚」があります。

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    五差路の三角地帯に庚申塚          史跡めぐりの石標              庚申塔の覆屋

        五体の石仏                 同 聖観音菩薩像               同 地蔵菩薩像
                           大正八年(1919) 造立           宝暦三年(1753) 造立

     同 青面金剛像の庚申塔          同 青面金剛像の庚申塔              同 馬頭観音像
     正徳二年(1712) 造立           延喜三年(1746) 造立             明和三年(1766) 造立



踵を返し鷺ノ宮駅に向かいます。
踏切を超えて右折し、駅北口の商店街を通り過ぎ西へ向かいます。
新青梅街道の手前にお堂が見えます。


       西武新宿線踏切            鷺ノ宮駅北口商店街             新青梅街道が見える



白鷺二丁目の庚申塚から1,000m、「不動堂」に着きました。 空家風の佇まいですが、境内は掃除が行き届いていました。
境内の左側に、「手水舎」と「文字庚申塔」「青面金剛像の庚申塔」が配置されています。
文字庚申塔は道標になっていて、正面に「青面金剛 西」左側面に「馬頭觀世音菩薩 ぞうしがやみち 北右側面に「聖観世音菩薩 なかのみち 南」 と陰刻があります。 馬頭観音と聖観音を合わせている珍しい庚申塔です。


      空家風のお堂                 不動堂                  手水舎

       二基の庚申塔                同 文字庚申塔                同 左右の側面
                            寛政十二年(1800) 造立

     同 青面金剛像の庚申塔



西北に進み新青梅街道(都道440号線)に出ます。
新青梅街道を西へ、鷺宮四丁目交差点を右折し中杉通りを北へ向かいます。


    先に新青梅街道が見える               新青梅街道              鷺宮四丁目交差点

        中杉通り



不動堂から750m、通りに面した二差路的な一角に「願掛け地蔵尊」があります。


       二体の石仏              同 地蔵菩薩像(祈願する方)           同 地蔵菩薩像(倒す方)
                            正徳五年(1715) 造立



Uターンして帰路に着きます。
願掛け地蔵尊から550m、西武新宿線鷺ノ宮駅北口に着いたのは 11時40分でした。


      鷺宮四丁目交差点                駅近く               踏切を左折し駅へ

         鷺ノ宮駅北口




当初は中野区史跡めぐりに沿って巡るつもりでしたが、調べるうちに「白鷺二丁目の庚申塚」「鷺宮一丁目の不動堂」と魅力のある史跡を追加してかなり効率の悪いルート組みになってしまいました。 実際2Km程度の予定でしたが、1.5Kmほどの巡行になっていました。
しかし、新型コロナウィルス退散を祈願する「鷺宮八幡神社」の茅の輪巡りが叶って満足です。