雑司ヶ谷七福神巡り

当初正月に計画していた「雑司ヶ谷七福神巡り」を、混雑が避けられる年末に前倒ししました。
時間をかけないよう、豊島区内の6か所(内、雑司ヶ谷鬼子母神はすでに巡っているので門前のみ)に絞り計画を立てました。
調べてみると、全ての七福神像を拝観できそうです。


9時30分、池袋駅東口を出発です。
駅前の通りを東へ進みます。突き当りの南池袋公園を右に、更に公園の角を左に進みます。
この先は、工事中の道路に沿って沢山の寺院が密集しています。


       池袋駅東口付近             駅前の通りを東へ

     突き当りは南池袋公園            公園の角を左へ


         妙典寺                   常在寺                  盛泰寺


駅から350m、その中の一つに雑司ヶ谷七福神の福禄寿を祀る「松栄山仙行寺」があります。
お寺というよりも会館という雰囲気のロビーを入ると、眼前に高さ4.6m・重さ1.5tもある総ヒノキ造りの「池袋大仏(釈迦如来坐像)」が出迎えます。
その右側に、七福神の「福禄寿像」が祀られていました。


        仙行寺のビル              寺院名碑  

        墓地入り口            同 拡大画像 (浄行菩薩像)

        玄関ロビー               同 池袋大仏

        福禄寿の祭壇              同 福禄寿像


仙行寺斜め前の道を西に進むみ 池袋駅前からの東通りに沿って左折すると、七福神の幟が見えます。



         東通り


仙行寺から100m、東通り沿い中野ビルの一角に 雑司ヶ谷七福神の「布袋尊」を祀るお堂があります。


      ビルの一角にお堂             同 二体の布袋尊像


更にその斜め前に、墓地が見えます。
墓地の角に、法明寺参道口の名板が貼付されていました。


         東通り             墓地の角に法明寺参道の名板            塀沿いの狭い参道


布袋尊から120m、狭い参道の中ごろに「威光稲荷堂」があります。
神仏分離後、隣にある稲荷山法明寺が旧別当寺であり現在も管理されているということです。
朱塗りの鳥居が並ぶ狭い参道を進むと、鳥居の列は右に曲がり更に左に曲がり 突き当りに石段があり 上がった左手にやっとお堂があります。お堂の右手にも鳥居と石段があり、石段を下りると小さな境内社が点々氏配置されています。
思いのほか距離があり、境内深く入り込むと静寂さと神狐の目の鋭さに不気味さを感じ早々に引き返したくなります。


     開運威光稲荷尊天の名碑          最初の朱の神明型鳥居          途中に一対の石灯篭

         水盤                  百度石              角を回った所にも鳥居群
     文化十年(1813) 奉納          大正五年(1916) 奉納

         五輪塔                 手水鉢                一対の石灯篭

     石段を登った所に常夜燈            左側にお堂               一対の神狐像

      お堂前 明神型鳥居               威光稲荷堂                お堂右横の鳥居群

     下り石段の左右に鳥居           石段を下って見上げる           石段下 一対の神狐像

      右側の明神型鳥居              境内社1                 同 神狐像

     左側の神明型鳥居              途中 一対の神狐像            途中 一対の神狐像

       境内社が並ぶ             小山周りを一周できる

        境内社1                 同 小祠

        境内社2                 同 跳ねる神狐像              同 小祠

        境内社3               同 剥落が進む神狐像             同 小祠


更に80m 法明寺参道を抜けると、法明寺「祖師堂(安国堂)」があります。
祖師堂左手に、「庚申塔の覆屋」があり青面金剛像の庚申塔が鎮座していました。


         祖師堂                庚申塔の覆屋            同 青面金剛像の庚申塔

参道を挟み、通師雑司が谷法縁の縁頭寺「威光山法明寺」があります。
現在、「真乗院・蓮光院・玄静院・観静院」の4坊を有しています。
飛地境内の「雑司ヶ谷鬼子母神堂」は、国の重要文化財に指定されています。



         山門                  境内             幽顕之塔 ( 書道家 井上有一書)

       一対の石灯篭                本堂

         鐘楼                  同 撞鐘
                         享保十七年(1732) 鑄造

法明寺塔頭「妙音山蓮光院」「合掌山真乗院」。


         蓮光院                 真乗院


法明寺塔頭「紫雲山玄静院」。


        寺院門碑                摩利支天堂                 境内社

         本堂                  手水舎

     南無妙法蓮華経の題目碑            同 拡大画像               武道開運之碑


法明寺塔頭かつ 雑司が谷七福神の弁財天を祀る「平等山観静院」。


        寺院門碑                 本堂                   境内左側

         題目塔                 弁財天像                如意輪観音像

法明寺及びその塔頭全体の入り口にでます。


       法明寺 寺院門碑


法明寺寺院門の前の二差賂を右に進みます。


       寺院門前の二差賂


進んだ角に、「威光山法明寺の南無妙法蓮華経石碑」が建っていました。


  威光山法明寺の南無妙法蓮華経石碑          同 拡大画像


突き当りが、鬼子母神堂の北側参道です。
その右側塀沿いに「地蔵堂」が見えます。


     鬼子母神堂の北側参道             右側にお堂が見える 

         地蔵堂               同 地蔵菩薩像 拡大画像


改めて、塀沿いに鬼子母神堂表参道へ向かいます。


      石垣沿いに表参道へ           途中に奉〇〇石垣の石碑


法明寺から200m、雑司が谷七福神の大黒天を祀る「鬼子母神堂」の表参道に着きました。
(鬼子母神堂は、2005年9月「
豊島区旧鎌倉街道巡り」で拝観しています。)
表参道前の狭い道を東へ進みます。


        鬼子母神堂 表参道             表参道前の道


途中、「妙永山本納寺」がありました。


        寺院門碑                  本堂                  月花塚

       法界萬霊の石碑          珍しい井戸水汲み上げポンプ

       墓地入り口慈母観音像            同 拡大画像               詩人秋田雨雀之墓


さらに進むと、大鳥神社の南側にでます。
突き当りの都電荒川線の道は工事中でした。


       左側は大鳥神社            都電荒川線沿いの道


鬼子母神から150m、雑司ヶ谷七福神の恵比寿神を祀る「雑司ヶ谷大鳥神社」に着きました。
神仏分離令により鬼子母神から分離し、この地に遷座したといいます。
境内社は二社で、手水舎のそばに祀られている「西宮神社」と 社殿右手に鎮座している「三杉稲荷神社」です。
えびす宮総本社と呼ばれる西宮神社の隣に、福包に乗った「恵比寿神」が祀られています。


       明神型一之鳥居          鳥居傍 出雲構え獅子型狛犬            明神型二之鳥居

         拝殿         拝殿前 招魂社系獅子型狛犬 (阿に角・吽に宝珠)       福包形の賽銭入

         境内の右側                手水舎

        境内社 西宮神社               恵比寿天像

      境内社 三杉稲荷神社            同 明神型鳥居              同 社殿と神社名碑

        同 手水石              同 保護されている神狐像


都電荒川線の踏切を渡り、南に進みます。七福神の幟を頼りに左折します。
正面の一段と高い丘に、七福神の幟がハタめいて見えます。



                都電荒川線の踏切を渡る                       幟を目印に左折

     正面の丘に幟が見える             寺院が見える


石段を上ると、植え込みに囲まれた「白鳥稲荷大明神」がありました。


         明神型鳥居                 社殿                   水盤
                                               安永七年(1778) 奉納


雑司が谷霊園の南西端を東西に通る御嶽坂を挟んで、向かいの一段と高い丘に毘沙門天の提灯が並んでいます。



         御嶽坂


大鳥神社から170m、雑司ヶ谷霊園に隣接する高台に 雑司が谷七福神の毘沙門天を祀る「御嶽山清立院(清龍院)青竜寺」があります。
石段右側の「
瘡守薬王菩薩安置の石碑」は、皮膚病に霊験あらたかであるとして 当時参拝人でにぎわった名残です。
毘沙門天の提灯が両側に立つ石段を上がり山門をくぐると、正面に「本堂」・右側に「日蓮大聖人像」があります。
本堂には、豊島区指定文化財の「大毘沙門天王像」が祀られています。
本堂左側の墓地には「十一面観世音のお堂」・皮膚病快癒祈願の「瘡守稲荷社」などがあります。



         参道の石段         石段の左側 南無高祖日蓮大菩薩の石柱     石段の右側 瘡守薬王菩薩安置の石碑

         山門                 右側 日蓮大聖人像              同 拡大画像

         本堂                   堂内               同 大毘沙門天王像

       左側 四体の石仏              同 合掌菩薩像                同 尼像

    同 地蔵菩薩像と観音菩薩像             佛足石

     十一面観菩薩像のお堂             同 拡大画像             同 清龍院古地図の石板

        
瘡守稲荷              墓地中央 弥勒菩薩像            同 拡大画像


清立院を東西に通る、なだらかな御嶽坂を進みます。
雑司ヶ谷霊園に沿って進み、雑司ヶ谷保育園の角を右折します。
暫く道なりに南下し 突き当りを左折すると、マンションの入口に「菊池寛 旧宅跡」の案内プレートがありました。



      清立院前の御嶽坂           途中 雑司ヶ谷霊園の入口          雑司ヶ谷保育園辺り

     なだらかな狭い道を下る       マンションの入口に案内プレート          同 拡大画像


更に南下すると、大きな不忍通りにでます。通り沿いに七福神の幟が見えます。
幟の角を左折すると急坂になっていて、その先に神社が見えます。



         更に南に進む               不忍通り   

         通り沿いに幟が              急坂の先に神社


清立寺から650m、雑司ヶ谷七福神の吉祥天を祀る「清土鬼子母神堂」に着きました。
雑司が谷鬼子母神堂に祀られている鬼子母神尊像は 清土のこの地で出土したそうで、ここも法明寺の境外仏堂です。
寿老人では?…(吉祥天は福徳の神であり、七福神の一つに数えられていた時期もあったとのこと)。
境内には「道しるべ石」があり、「是ノ右 みのぶ山ひながた七面堂/きしも神出現所/道」と陰刻されています。


         寺院門              鬼子母尊神出現所の石標             境内左側

         境内社                 鬼子母神のお堂               同 鬼子母神像

         水盤                  百度石                  道しるべ石
                                               文政六年(1832) 造立

         拝殿            石蔵造りの本殿覆屋-幣殿-拝殿              題目塔

       星の井という井戸            同 珍しい三角井戸

        吉祥天像                  同 拡大画像         奉誦自我偈一千部成就供養塔の石碑


不忍通りに戻り、通りの向かい側の東へ向かう細い上り坂を進みます。
その突き当りに、鳥居が見えます。


     信号を渡り東への坂道を進む           突き当り辺りに鳥居



清土鬼子母神堂から200m、徳川家光が鷹狩りの折 当地にあった榎の切株に腰掛け休憩したという「腰掛稲荷神社」に着きました。
小さいながら風格を感じる佇まいです。
社殿の裏側にまわると、特別天然記念物の大きな「菊花石」があります。
境内東側の駐車場入口付近に、二基の「三猿の庚申塔」がありました。


       神社名碑と明神型鳥居              拝殿                  同 側面

          手水舎                  菊花石               駐車場からの首都高

         二基の庚申塔                同 拡大画像
                     左)元禄三年(1690),右)貞享二年(1685)奉納



不忍通りに戻り東へ進むと、首都高速5号池袋線の高架にでます。
首都高速手前のビルの狭間に、鳥居が見えます。


      首都高速5号池袋線          ビルの狭間に鳥居が見える


腰掛稲荷神社から250m、マンションの階段の上に「弦巻稲荷神社」がありました。
マンションの2階入口と神社の社殿が共有されているという珍しい造りです。
地図で見ると、腰掛稲荷神社と背中合わせの位置にありました。


       階段の上に神社            神社名碑と明神型鳥居               社殿



護国寺西交差点を渡り、不忍通りを進むと護国寺の寺院門が見えてきます。



          不忍通り                寺院門が見える


弦巻稲荷神社から250m、御府内八十八ヶ所霊場87番札所及び江戸三十三箇所観音霊場第13番及び東京三十三観音霊場24番札所神齢山悉地院護国寺」に着きました。
五代将軍徳川綱吉が、生母桂昌院の願いにより創建した祈願寺です。


不忍通りに面した文京区指定文化財の「仁王門」は、正面の両脇に金剛力士像・背面の両脇には二天像(右側は増長天・左側は広目天)が安置されています。
仁王門をくぐり参道を進むと、左右に同型の「水屋」があり 五代将軍徳川綱吉の生母桂昌院から寄進された「唐銅蓮葉形手洗水盤」一対を有しています。


         参道                一対の石灯篭 

         仁王門                          阿吽の金剛力士像

        仁王門の背面              同 増長天像               同 広目天像

         参道を進む              右側は音羽富士塚             左右同型の水屋

         左側の水屋                 右側の水屋             同 共に同型の銅製水盤

更に進み、正面の石段を上がると「不老門」です。
不老門をくぐると 直ぐ左側は 、銅製の「仁王像」茶室の「圓成庵」その前に「地蔵菩薩像」が並びます。
右側に「六地蔵」が配置され、この先に文京区指定文化財の「大師堂」があります。
堂の左横に「一言地蔵堂」があります。名前の通り 願い事を一つだけ叶えてくれるというお地蔵様です。普段は祠の扉は閉まっていますが、願い事をするときは開けて構わないということです。
大師堂周りには、多くの石碑・塚及び石仏が配置されています。



     石段途中 一対の石燈籠              不老門               境内へは更に石段

   不老門の左側 銅製の金剛力士像          圓成庵の一角                同 圓成庵

         地蔵菩薩像               同 拡大画像

        不老門の右側                六地蔵像

        針供養塚                   筆塚              


               五輪塔を乗せたモニュメント                       太子堂

         身代地蔵尊        -----------------ー--ー------ 大師堂横の石仏群 ---ーー------------------------

---------------------------------------------------- 大師堂横の石仏群 -------------------------------------------------

         不動明王像              青面金剛像の庚申塔           青面金剛像の庚申塔
                                              元禄二年(1689) 造立

         一言地蔵堂               同 一言地蔵像                納札塚

境内の左側には、高くそびえる「多宝塔」桃山時代の建造で書院様式を伝える国指定重要文化財「月光殿」があります。
境内の右側には、全長2.5mの存在感がある「護国寺大仏(釈迦如来像)」袴腰付重層入母屋造りの文京区指定文化財「鐘楼」があります。
正面の「観音堂(本堂)」は、国指定重要文化財です。
本堂の右側には、「三条実美・山県有朋・田中光顕・大隈重信などの墓所」さらに「霊廟」があります。
本堂左奥に、文京区指定文化財の「薬師堂」
仏前などに供養される水を汲むための井戸閼伽井」があります。
また薬師堂脇に、三猿が支える珍しい 文京区指定民俗文化財の「庚申塔」もありました。


         境内       

         多宝塔                 月光殿               境内 一対の銅燈籠

     護国寺大仏 (釈迦如来像)            同 拡大画像                 闇除の亀趺

     色々な種類の石燈籠群               鐘楼                  同 撞鐘
                                              天和 二年(1682) 寄進

       観音堂 (本堂)             本堂前 一対の銅燈籠             本堂前の奇岩
     元禄十年(1697) 建立

     大隈重信墓 神明型鳥居             同 墓所

     三条実美墓 明神型鳥居          同 墓所にも明神型鳥居

        宝篋印塔                 多宝塔              西国三十三所寫〇の石碑

         霊廟                同 聖観世音菩薩

        傳法灌頂用 閼伽井              薬師堂                  象供養碑
                          元禄四年(1691) 建立

         庚申塔            同 拡大画像 (三猿が支えている)
      天明五年(1785) 造立



不覚にも、音羽富士の撮影中にデジカメのバッテリーが切れてしまいました。
後日出直すことにして、今日はここまで…。



12月25日(火)9時30分 快晴

記憶が薄れないうちにと、再び護国寺を訪れました。
今回は、文京区指定文化財「惣門」からの訪問とします。
水屋の辺りに「庚申供養塔」の道しるべ石があり、側面に「左江〇宿」背面に「右ハ□き道」」と陰刻がありました。


         惣門                楼門からの参道
     天和元年(1681) 建立

        葬祭場の桂昌殿                本坊                  水屋の辺り

         庚申供養塔              同 側面の道しるべ               珪化石

         民謡碑                 慰霊碑 


「本坊」の横手に高さ7mの「音羽富士塚」があります。
都内の富士塚は50箇所以上あるようですが、寺の敷地内に富士塚があるのは珍しいと思います。
「富士道」には石橋がかかり、鳥居をくぐって富士塚にたどり着くという本格的な造りです。
見上げると結構な上り坂で、富士講の石碑類がたくさん配置されているのが見て取れます。
側面には黒ぼく(溶岩)が使われていますが、つづら折りの登山道には丸石が敷かれています。
鳥居をくぐるとすぐに、一合目石が目につきます。

一合目石の後ろに「御胎内」があり、中には石板が埋め込まれていて 木花咲耶姫の線画(かなり見えずらい)が描かれています。
一合目から合目石が配置されていますが、三と五の合目石は見当たりませんでした。
頂上付近には溶岩があり、頂上には「石祠」と「浅間神社の標柱」があります。




         富士塚入口                 神明型鳥居

        富士塚の全景              富士塚の全景 (裏側)            丸石畳みの登山道入り口

        一合目石                 御胎内             同 石板 (木花咲耶姫の線画)
     文化十四年(1817) 造立

        二合目石                三合目辺り             富士講の石碑などが並びます

        四合目石                五合目辺り                緩やかな上りの登山道

        六合目石                七合目石           この辺りからは登山道も険しくなります
                         文化十四年(1817) 造立

        八合目石                九合目石                 最後の上り
     文化十四年(1817) 造立

         頂上          同 富士浅間神社と大天狗光明尊位の石碑             同 奥宮

       同 御頂上大石の石碑              裏道                 頂上からの眺め


東京メトロ有楽町線3番地上口に戻り、早めの帰路に着きます。


    東京メトロ有楽町線3番地上口




当初は、豊島区の七福神巡りを計画しましたが、臥龍点睛を描くいうこともあり 文京区まで足を延ばし「清土鬼子母神」を巡り 帰路につくべく有楽町線護国寺駅地上口までくると、立派な仁王門が見え つい足を延ばしました。
今年は暖冬のためか、ウォーキングには最適な気候に恵まれ2Km程度の楽な巡行でした。

護国寺は、予想外に広く鑑賞すべき構造物に溢れていました。
また、境内の音羽富士に巡り合い至福の時間を満喫しました。