日本橋七福神巡り

 足腰の不調のため暫く長時間の歩行を控えていましたが、かなり回復してきたので都内を軽く歩いてみることにし
 ました。
 都営地下鉄の沿線ガイドに「日本橋七福神めぐり」の特集が載っていました。
 健康祈願を兼ねて、江戸情緒が残る下町の繁華街に点在する神社を巡拝することにした。
 ルートは、水天宮を起点に水天宮通りを軸に東へ西へとジグザグに小伝馬町まで巡行します。3Km強のコースは、
 久し振りに歩くには手頃です。
 スケジュールの都合で土曜日の決行になったので、七福神ツアーの団体とバッティングし混雑することが心配です。


 東京メトロ半蔵門線水天宮前駅の地下出口を出たのは9時50分でした。
 早速、出口あたりで20名近くの団体さんが、ガイドの説明を受けていました。


 
          水天宮前駅地下出口        


 一旦、通りの反対側から日本橋七福神の一つ弁財天を祀る「水天宮」の全容を拝観し、参拝に向かいました。
 水天宮通りと新大橋通りの交差点にある鉄筋コンクリート造の建物で、1階が有料駐車場で2階が境内となっていま
 す。
 安産祈願の妊婦に配慮してか、交番の横に境内へのエレベータも用意されています。
 境内には、戌の日でもないのに安産祈願とか初宮参りの家族が祈祷の列を成していました。
 子宝由縁とあって、境内には「親子の狛犬」「子宝犬」「安産子育て河童」が配置されていました。
 境内の隅に、もともとは水難除け・航海安全の神様として信仰を集めていたこともあり3丁の「和船の碇」が配置さ
 れていました。この碇は、実際に使われていたもので、船主が奉納したと言われています。


 
     水天宮前交差点からの水天宮      手前の交番も雰囲気を持っている     境内へのエレベータ前 明神型鳥居
 
      境内への階段と神社名碑      階段の両脇に青銅の宋風獅子型狛犬           手水舎
 
        神明型鳥居                 拝殿                   額殿
 
    高尾神社・火風神社・秋葉神社           紫灘神社                 宝生辨財天     
 
         龍口の手水                和船の碇                 子宝犬


 新大橋通りを渡り東へ100m往くと、ビルに入り込んだ形で日本橋七福神の一つ大国神を祀る「松島神社」があり
 ます。
 朱の鳥居が目立つので通り過ぎずに済みましたが、テナントの一つという風で霊験は感じられません。
 拝殿前の神獣風の狛犬が珍しい・・。


 
    通りを左に入ってすぐに朱の鳥居          明神型鳥居                 手水舎
 
          拝殿                          狛犬


 東西を走る新大橋通りを西へ戻り、水天宮前交差点を渡ります。
 この辺りは、人形遣いが多く住んでいたから人形町と名付けられたとされています。


 
        水天宮交差点


 松島神社から200mで、日本橋七福神の一つ布袋尊を祀る「茶の木神社」にでます。
 新大橋通りの一つ目の角を横に入るのですが、通りからは見えずらくはためく布袋尊の旗でわかりました。
 名の由来の茶の木は、ギザギサが強いが椿の葉にも似ています。

 
      茶の木に囲われた一角            神明型鳥居と社殿               お稲荷様
 
          水鉢


 再び新大橋通りを西へと進みます。

 
      通りの先にイチョウの木が


 茶の木神社から200mで、樹齢300〜400年のイチョウの木に包まれた中央区で唯一の八幡宮「銀杏八幡宮」があ
 ります。
 拝殿の横には、境内社の「銀杏稲荷神社」が併設されていました。
 白色でコンクリート造りの八幡宮に比し、鳥居の正面に配された木造社殿の稲荷神社のほうが存在感がありました。
 現に、銀杏稲荷神社の創立は銀杏八幡宮創立の以前と云われています。


 
     イチョウの木で覆われた一角         神明型鳥居と神社名碑              拝殿
 
          稲荷神社                        2対のお稲荷様


 銀杏八幡宮右横の道をとり、蛎殻町を小網町へ北上します。

 
   蛎殻町の通りに小網神社の標識が      
 

 銀杏八幡宮から200mで、日本橋七福神の福禄寿と弁財天の2神を祀る「小網神社」にでます。
 道路に面している「神楽殿」と、強運厄除けの「昇り龍と降り龍」の彫刻が施されている檜造りの社殿は、中央区登
 録文化財になっています。
 境内には「銭洗いの水」と呼ばれる霊水が湧き、この霊水でお金を洗うとお金が貯まるといわれているので、早速
 500円硬貨を念入りに洗ってみました。
 水鉢の後ろには、福財を授けてくれるといわれる「萬福舟乗弁財天」が祀られていました。
 大都会の中のパワースポットとも云われていて、小さな神社ですが見所たっぷりでした。


 
       神楽殿が目立っている             明神型鳥居                手水舎
 
          拝殿                宋風獅子型狛犬            昇り龍と降り龍の彫刻
 
          銭洗い水               萬福舟乗弁財天


 人形町交差点で人形町通りを渡り、金座通りを東の人形町へと歩を進めます。

 
       金座通り 人形町交差点


 小網神社から500mほど金座通りを一つ入ったところで、日本橋七福神の一つ毘沙門天を祀る「末廣神社」にでま
 した。
 七福神ツアーの一団が群がり、神社から溢れています。ツアーの波が引けるのに15分ほどかかりました。
 境内には、江戸町火消の「は組の石碑」が配置されていました。


 
    ツアー客が道路に溢れ出ている            神明型鳥居               手水舎
 
         社殿                    和風獅子型狛犬              は組の石碑
     

 神社前の通りを更に東へと進みます。

 
     この辺りは静かな人形町      


 200m余り進んだところで清洲橋通りに突き当たり、左前方に聳えるに「明治座」を仰ぎ見ました。
 今日の上演は、ミュージカル「光化門恋歌」でした。ファンのオバチャマたちが出待ちの列をつくっていました。


 
         明治座          


 100mほど西へ戻り、金座通りに面した日本橋七福神の一つ寿老神を祀る「笠間稲荷神社」にでました。
 一般的には寿老人と云いますが、神社に祀られる時には寿老神と書かれるようです。
 境内の一角には、何体ものペアのお稲荷様がの配置されていました。


 
       金座通りから神社            通りに面した神社名碑             同 明神型鳥居
 
         手水舎                  社殿              東に面して る明神型鳥居
   
         お稲荷様1               お稲荷様2

 
 金座通りを渡り西へ270mほど進むと、左手に「橘稲荷神社」がありました。
 ビルの東北の一角にありましたが、特に会社の所有というわけではないようです。


 
    TT-2ビルディングの一角に鳥居が            明神型鳥居                 社殿


 この通りを北へ120m進むと、神社表示のアーケードがある「三光稲荷神社」に到着しました。
 三光稲荷神社は、猫を見失ったときお願いすれば霊験ありと云われています。境内には、沢山の招き猫が奉納されて
 いました。


 
      神社表示のアーケード             明神型鳥居                  水鉢
 
          社殿               宋風獅子型狛犬                奉納の招き猫


 150mほど東へ戻り、日本橋七福神の一つ布袋尊を祀る「富沢稲荷神社」に詣でました。
 社殿の脇には、境内社の「初姫稲荷神社」が併設されています。


 
      通りの左手に神社の幟が             明神型鳥居                手水舎
 
          社殿              境内社の初姫稲荷神社


 通りを西へ戻り、人形町通りを渡り掘留町に入ります。
 日本橋堀留町は、戦前は鉄や銅を中心とした金属問屋の集中する街だったそうです。
 現在は、繊維や衣料品などを扱う古くからの問屋と各種金融機関が数多く集うビジネス街になっています。 


 
      人形町通り 堀留町の辺り


 富沢稲荷神社から220mで右手に神社幟りが見え、ビルの裏出口の奥に「出世稲荷神社」がありました。
 江戸時代初代市川団十郎が日参し名をあげたことから、出世稲荷神社と称されるようになったと云われてます。
 洗濯機・自転車の日常生活空間と、神聖なる非日常空間が同居している不思議な光景でした。
 江戸火消し"は組"由縁の「木遣り塚」「水鉢」なども配置されています。
 社殿には、「岩代稲荷神社」が合祀されていました。


 
       右手に神社幟りが           ビルの裏口にも神社幟り            奥に鳥居が
 
      洗濯機の隣に神明型鳥居             手水舎                  社殿
 
       は組の木遣り塚               利休型灯篭                は組の水鉢


 通りを北へ180m直進すると、日本橋七福神の一つ恵比寿神を祀る「椙森神社」の立派な鳥居が見えました。
 平安時代からつづく古社とあって風格のある佇まいです。
 江戸時代には、江戸城下の三森(烏森神社、柳森神社、椙森神社)の一つに数えられたという由緒ある神社です。
 境内には、江戸時代から当社で行われていた富くじを偲ぶ、中央区民文化財指定の「富塚の碑」があります。 


 
       通りの先に鳥居が              明神型鳥居                 手水舎
 
          社殿                宋風獅子型狛犬                 富塚
 
       東門 明神型鳥居


 通りを東へ戻り、人形町通りを渡ります。
 織物中央という名前の通り、交差点周辺には衣料、呉服・布団・染め物などを扱う会社のビルが多く建ち並んでいま
 す。休日のためか閑散としていました。


 
   人形町通り 織物中央通りとの交差点         織物中央通り


 椙森神社から200m、織物中央通りの一つ目の角を左に入ると「池洲神社」がありました。
 まさに、ビルとビルの隙間に神社が隠されていました。


 
    ビルの隙間に神社名碑と鳥居が           神明型鳥居                  社殿


 再び西へ、人形町通りを渡り大伝馬町に入ります。
 この界隈では裏通り沿いなどに新しいマンションが並びはじめており、住宅とオフィスビルが混在する姿になりつつ
 あります。 


 
      人形町通り 大伝馬町界隈       通りに寶田恵比寿神社の神社名碑が


 池洲神社から400mほどで、日本橋七福神の一つ恵比寿神を祀る「寶田恵比寿神社」です。
 小さな神社ですが、徳川家康が江戸に入府する以前からあったといわれる古社のようです。
 徳川家康から下賜されたという恵比寿様は、鎌倉時代の名匠運慶の作と伝えられます。

 
     
     パーキングの隣に鳥居が              明神型鳥居と社殿        運慶作の恵比寿像 (転載)
 
          水鉢

 
 一通り日本橋七福神を巡拝しましたので、東の人形町通りへと帰路を急ぎます。
 小伝馬町を東西に走る江戸通り(国道六号線)を渡ると、寶田恵比寿神社からは240mで「大安楽寺」です。
 大安楽寺は、2006年12月旧日光街道を歩いた際に参拝しています。
 

 
        小伝馬町交差点                 大安楽寺                  本殿


 東京メトロ日比谷線小伝馬町駅の地下鉄入口に戻り、11時59分の電車に乗り帰路に着きました。

 
       小伝馬町駅地下入口              



 水天宮駅から小伝馬町駅まで、直線距離900m程度の人形町通りを神社を求めて東奔西走しました。
 結果、14の神社に巡拝することが出来ました。相当のご利益を期待します。
 穏やかな日和にも恵まれて、快調に巡行することが出来ました。
 都心の神社は小さいながら個性的で、ビルのテナント風であったりビルの狭間に潜んでいたりマンションの裏口奥に
 あったり色々なスタイルがありましたが、人形町・堀留町など商人の街らしく、絶えず町内の方がお参りしていまし
 た。特に、小網神社はパワースポットと言うだけあって、その一角は遠くから見るだけで荘厳な雰囲気を感じました 。