秩父三十四観音霊場巡り (第33番・第34番)

 一昨日、秩父札所第三十一番 観音院巡りを終えたばかりで、直ぐの霊場巡りは無謀に思えたが、天候とか他の予定を
 考慮し計画通り実行することにしました。
 今回も、「秩父三十四所観音巡礼」(秩父札所連合会編) を基に、事前にルートマップを作成していましたので、直ぐ
 に行動に移すことが出来ました。


 西武秩父線西武秩父駅に降りたったのが9時、西部バスの出発が9時10分と連絡が上手くつきました。

 
           西武秩父駅


 バスに揺られること30分、更に徒歩20分位で、秩父三十四観音札所第十六番「延命山菊水寺」に着きました。
 寺院名碑に「大桜山長福寺」とあり、些か不安を覚えましたが巡礼者に確認をし拝観をいたしました。
 菊水寺はもともと小坂下地区にありましたが、永禄年間甲斐武田軍によって観音堂が焼かれ、本尊 (聖観世音菩薩) が
 現在の「大桜山長福寺」に移されたようです。
 境内には、秩父市指定史跡 県内最古の「芭蕉句碑」があります。

 
 
       大櫻山 長福寺の寺院名碑            入母屋造の本堂                 芭蕉句碑
                                                 寛保三年(1743) 造立    
 
          石仏                 境内社 天満宮                 佛足石     

 本堂の前には、埼玉県指定文化財「聖観音像」が配されていましたが、地蔵菩薩のような姿でした。 
 (と云うよりも、地蔵菩薩像では…?)


 
          聖観音菩薩像           慈悲地蔵像と剥落激しい石仏            厄除地蔵像 
 
       如意輪観世音の石碑


 菊水寺から水潜寺までは9Km足らずの距離ですが、その半分はアップダウンのキツイ山道です。
 途中、「秩父町約四里 寶登村三里/皆野町約二里 野上村三里半」などと陰刻された道標がありました。

 
    暫らくは赤平川に沿ってウォーク              道標


 菊水寺から2Km強で、秩父事件の激戦地になった「龍報山清泉寺」に着きました。

 
        山門と寺院名碑               六地蔵像                    本堂 
 
           聖観世音菩薩像               鐘楼
 

 真冬ながら穏やかな日差しに包まれて、県道37号皆野両神荒川線の平坦な車道を進みます。

 
          県道37号線
 
      左) 馬頭観音の石碑               二十二夜塔の石碑             二体の地蔵像
         昭和十六年(1941) 造立 
      右) 剥落が激しい如意輪観音像 

 
 清泉寺から1.7Km進むと、目印の「平石馬頭尊堂」がありました。
 お堂の脇に、「従是左順礼道」と陰刻された道標が横たわっていました。
 お堂の左道に入るのが、秩父札所第十六番水潜寺へ向かう巡礼道だということを確認しました。 
 お堂の脇には、幾つかの石仏・石碑が安置されていました。

 
          平石馬頭尊堂                 道標                  百萬遍の石碑
 
          地蔵像と石碑              一石六地蔵像                宝篋印塔


 この辺から徐々に舗装された上り坂に入ります。
 この巡礼道にも、石碑・石仏が安置されていました。
 道標には、「札所三十四番道/小前至近道」の陰刻がありました。

 
           上り坂                二基の供養塔と石仏             同 拡大画像 地蔵像 
 
         風景が変わります             馬頭尊の石碑                 道標

 1Kmあまり登った藤芝の辺りで、頼母沢の急坂に入ります。
 2Kmほど息を切らし、やっと「札立峠」に辿り着きました。
 札立峠の標高は540mで、杉林の中にあり、期待した眺望はありませんでした。
 
 
           胸突き八丁                  休み石                    札立峠
 
      関東ふれあいの道との合流点

 札立峠からは、もっぱら下り坂になります。
 それにしても車のなかった時代、昔の巡礼者はなんと健脚だった事でしょうか。 

 
          最初は下りの山道             やがてガレた沢            やっと水潜寺の案内が 
 
       寺近くに湧水の沢


 札立峠を1Kmほど下ると、日本百観音結願寺 秩父三十四観音札所第三十四番「日沢山水潜寺」に着きました。
 巡礼道から本堂へ向かう小道に、「六地蔵の小堂」が出迎えてくれます。

 
         六地蔵像                  同 拡大画像       

 本堂 (観音堂) の前には、日本百観音霊場の砂を集めた「結願のお砂踏場」があります。
 平らな黒御影石に二つの足形が揃えて彫ってあり、「足形の上で拝めば、百観音巡礼の功徳がある」と刻まれていま
 す。

 
          本堂 (観音堂)              百観音御砂場              日本百番霊場巡拝記念碑

 本堂の右側岩窟には、水くぐりの岩屋があり長命水とよばれる清水が湧いています。
 しかしこの一帯は、落石注意の立札が掲げられていて立入り禁止になっていました。
 「水かけ地蔵」の脇に、「お地蔵さんの頭からお水を三杯かけてお願い事を三度唱えてください」との説明札があり
 ましたので、健康・天候・金運の祈願をしました。

 
          岩窟                 水かけ地蔵像                地蔵尊像

 本堂の左側には、「讃仏堂」「結願堂」「仏足堂」が並びます。

 
           讃仏堂 (納経所)               結願堂           寺院名碑 (内閣総理大臣 福田赳夫 寄贈)  
 
           仏足堂                   同 拡大画像

 「讃仏堂」「結願堂」の裏には、「七観音像」が並びます。

 
          七観音全景                同 千手観音菩薩像               同 如意輪観音菩薩像
 
         同 聖観音像菩薩              同 不空羂索観音菩薩薩像            同 准胝観音菩薩像
 
       同 十一面観音菩薩像              同 馬頭観音菩薩像

 秩父三十四番目霊場入口に向かって、「三十三観音像」が並びます。

 
          三十三観音全景
 
       同 龍頭・楊柳観音像             同 圓光・持經観音像            同 白衣・.遊戯観音像
 
       同 瀧見・蓮臥観音像             同 魚籃・施楽観音像            同 水月・徳王観音像
 
       同 一葉・(水月)観音像             同 威徳・青頸観音像           同 衆寶・延命観音像
 
       同 能靜・岩戸観音像             同 阿耨・(能靜)観音像            同 葉衣・阿麼提観音像 
 
        同 多羅・瑠璃観音像             同 六時・蛤蜊観音像            同 馬郎婦・普悲観音像 
 
       同 合掌・(馬郎婦)観音像           同 不二・一如観音像            同 灑水・持蓮観音像

 三十三観音を過ぎると、秩父三十四番目霊場入口からの参道になります。
 入口には、「左 秩父三十四番目霊場/右 上日野澤道」の大きな石柱道標が目立っています。

 
        日本百観音結願所入口               石仏
 
          三界萬霊の石碑             三十四番目入口の石碑
 
          道標 (左側面)               同 道標 (右側面) 
 
         二十二夜の石碑                清純な渓流                地蔵菩薩像


 水潜寺から600mていど奥に入ると、秩父八景「秩父華厳の滝」があります。
 落差12〜3m程度ですが、滝壺まで行けますので下から見上げるとかなりの迫力があります。
 秩父華厳の滝という名前は、日光の華厳の滝に似てることからついた名前だそうですが、その姿からはこじつけのよ
 うに思えます。
 滝の上には、ユーモラスな「空滝不動尊像」が見え隠れしていました。
 
 
        華厳の滝名碑               華厳の滝全景
 
          滝壺近くより             同 滝の上に空滝不動尊像   
 

 
 帰路は、車で東京から結願にみえられたご夫妻のご好意で、西武秩父駅まで同乗させていただきました。
 山歩きで疲れた身にはとてもありがたく、14時30分の電車でゆっくりと帰宅しました。

 
         西武秩父駅



 年明け早々、秩父の山歩きを体験しましたが、暖冬のせいで心配した雪の影響が全くなく危険は全くありませんでし
 た。
 体調も上々 途中汗ばんだ下着の着替えをした程度で、ほとんど休みなしで平石馬頭尊堂から水潜寺までの4Km近く
 のアップダウンを踏破しました。

 秩父霊場の拝観も、まだ半分以上残っていますが、無理のない体調・スケジュールのもとで計画を立てていきたいと
 思います。
 何年か後には、本当の意味で「結願」の報告ため水潜寺を訪れたいと願っています。