目黒区庚申塔巡り2
目黒区の庚申塔巡りのタイミングが合わずに間が空いてしまいましたが、8月の猛暑つづきの中温湿度26℃・60%の予報の今日、急遽決行することにしました。
今回は、上目黒・中町・五本木・鷹番・清水地区に分布する8か所の庚申塔を中心に、最寄りの馬頭観音・地蔵尊等も計画に入れました。
併せて、目黒区にも富士塚があるということで、遠回りになりますが立ち寄ることにしました。



9時45分に、東急田園都市線池尻大橋駅北口に降りました。
首都高速3号線の高架に沿って、玉川通り(国道246号線)を東へ向かいます。
大橋交差点の傍に鳥居が見えます。


     池尻大橋駅北口地上出口              玉川通り                   鳥居が見える



池尻大橋駅北口地上出口から300mで、通りに面する
旧上目黒村小名石川組鎮守上目黒氷川神社」に着きました。
鳥居の左横には、「神社名碑」と「〇〇坂再建供養塔」「大山道の道標」が配置されています。
目の前の玉川街道は旧大山街道で、その道標の正面の下部には、「玉川通り/せたがや通り 」とあり、左側面には「左 青山/
あさふ みち」、右側面には「右 ひろう/めぐろ/池かミ/品川 みち」の陰刻がありました。


         前景                〇〇坂再建供養塔

         大山道道標               同 正面下部の陰刻             同 左右側面の陰刻
      天保十三年(1842) 造立


鳥居の先は、高さは10mを超える急勾配の石段の参道になっています。
石段を登りきると、左右に「和風獅子型狛犬」が出迎えてくれています。
境内には、「百度石」「神楽殿」「手水舎」等が配置されていて、正面に「拝殿」が見えます。


       急勾配の石段の参道              和風獅子型狛犬                   境内

          百度石                    一対の石灯篭                   神楽殿

          手水舎                     同 手水鉢

       本殿前 宗風獅子型狛犬               社殿
       昭和七年(1932) 奉納


拝殿の左側に、境内社「稲荷神社」があります。
2連の「明神型鳥居」「神明型鳥居」の先に「社殿」があります。


         前景                     明神型鳥居                    神明型鳥居

       一対の神狐像                  社殿の一角                   同 拡大画像

          手水鉢


拝殿の右側に、境内社「富士浅間神社」と「東側参道の明神型鳥居」があります。
富士浅間神社には、鳥居横の「招魂社系狛犬」と社殿脇に小ぶりな「和風獅子型狛犬」二対があります。
目的の富士塚はといえば、社殿横に配置されている目黒元富士から移した「仙元講の碑」がありました。
この丘が「目黒富士塚」なのでしょう。
後日談)自然の崖を利用した富士浅間神社登山道が正面階段左にありました … 完全に見落としていました。
    「目黒富士塚登山のブログ」参照。
☆ 目黒区内には二つの富士塚がありました。一つは文化9年に目切坂上に築かれたもので「元富士」と呼び、後に別所坂上に築か
  れたもう一つの富士塚を「新富士」と呼びました。元富士は高さ12mで、石祠(浅間神社)を祀っていましたが、明治11年に
  取り壊しとなり、この氷川神社の境内に石祠や富士講の石碑を移しました。
  昭和52年に富士山に見立てた登山道を開き、境内の一角を「目黒富士」と呼ぶようになりました。


      拝殿の右側 富士浅間神社          東側参道の明神型鳥居

         明神型鳥居              一対の招魂社系狛犬               社殿前 二対の石灯篭

         社殿               同 社殿脇 一対の狛犬

          手水鉢                   仙元講の碑
     文久三年(1812) 造立



少し戻って玉川通りを跨ぐオーパスブリッジ(陸橋)を経由し、南東に進みます。
首都高速中央環状線と交差する処から山手通り(都道317号線)になります。
目黒川に架かる目黒橋を渡り、更に山手通りを南東に進みます。
目黒東山一郵便局の先の角を右折し、勾配がきつい坂道を南西に進みます。
目黒区立東山中学校の東側の坂道途中に、覆屋が見えます。


      オーパスブリッジ(陸橋)       オーパスブリッジから神社を顧みる      オーパスブリッジのエレベータ乗り口


         南東に進む           首都高速中央環状線が見える           山手通り 目黒橋

          目黒川             目黒東山一郵便局の先の角を右折             南西に進む

      目黒区立東山中学校の辺り              覆屋が見える



東山馬頭観音碑」です。
風化した、「馬頭観音碑」が祀られています。


       東山馬頭観音碑                   同 拡大画像



東山馬頭観音碑の辺りが坂道の頂上でしたが、ここから下り坂になり野沢通りと合流します。
野沢通りを南西に進みむと、目黒ゴルフ練習場に入る角に隠れて沢山の石仏が祀られていました。


    坂道を下ると野沢通りと合流            野沢通りを南西に                  塀に隠れて石仏



⑩⑪「宿山の庚申塔」です。
「力石」と、二基の「青面金剛像の庚申塔」一体の「聖観音菩薩像」大小四体の「地蔵菩薩像」計七基の石仏が祀られています。
右から二つ目の風化が進んでいる青面金剛像の庚申塔は、三猿が正面と左右側面に一匹ずつ彫られていて珍しいものです。


      回り込むと石仏群              七基の石仏                  同 力石

       同 青面金剛像の庚申塔            同 三基の地蔵菩薩像              同 地蔵菩薩像
       宝永五年(1708) 造立                                  延宝三年(1675) 造立

       同 青面金剛像の庚申塔        同 三面に三猿が1匹ずつ彫られている           同 聖観音菩薩像
       元禄五年(1692) 造立                                 元禄三年(1690) 造立



野沢通りを更に南西に進むと、通りの向かい側に寺院名碑が見えます。


   通りの向かい側に寺院名碑が見える



上目黒氷川神社から1,300mで、「新清山観明院寿福寺」に着きました 。
通りの左側に「大日如来像の供養塔」、右側に「寺院名碑」が配置されています。
長い参道の正面に山門があり、その両脇に四体の石仏が並んでいます。
左側には、⑪「
寿福の庚申塔」と呼ばれる日月も三猿も邪鬼も二鶏もないシンプルな「青面金剛像の庚申塔」と「大日如来坐像」が祀られています。
右側には、「相生地蔵」とよばれている二体の「延命地蔵尊」が祀られています。


       大日如来坐像                同 拡大画像

          寺院名碑                    参道 山門

       門前左側 二体の石仏             同 青面金剛像の庚申塔              同 大日如来坐像
                               寛文六年(1666) 造立              天保五年(1834) 造立

       門前右側 二体の石仏                同 地蔵菩薩像                 同 地蔵菩薩像
                            宝暦九年(759) 造立              明和二年(1765) 造立


山門を入った境内の左側に「三界萬霊」の塔が配置され、沢山の石仏が祀られています。
境内の右側には、台座が四面仏の「十一層の石塔」が配置されています。


        三界萬霊                      同 両脇に四基の宝篋印塔 
                                    寛永六年(1629) 造立

         同 石仏群              同 中心仏 聖観音菩薩像                十一層の石塔

        本堂前 石灯篭               本堂前 雨水桶                     本堂



野沢通りを更に南西に進むと、蛇崩・伊勢脇通り及び五本木通りと複雑に交差する蛇崩交差点に出ます。
野沢通りは、蛇崩交差点から先は龍雲寺通りになります。
三宿病院入口交差点の角に、石碑が見えます。


       野沢通りを更に南西に              蛇崩交差点            龍雲寺通り 三宿病院入口交差点

       石碑が見える



蛇崩の庚申供養塔」です。
庚申供養塔は道標になっていて、正面上部には「東/登戸道」、裏面には「西/せたがや道」、左側面には「南/ゆふてんじ」、右側面には「北/かみめぐろ道」と陰刻があります。


         庚申供養塔                  同 正面上部と裏面                  同 左右側面
       明和三年(1766) 造立



蛇崩交差点に戻り、五本木通りを南へと向かいます。
暗渠の蛇崩橋を渡り、直ぐの角を右折し南へ向かいます。


      蛇崩交差点を右折              五本木通りを南へ                 蛇崩橋

      直ぐの角を右折



世田谷区との区境を成す道路の中央に、頼朝が乗っていた芦毛の馬が死んだので埋葬したという「葦毛塚」がありました。


         小高い丘に                   葦毛塚之碑



先の信号を左折すると、五本木通りに戻ります。
直ぐの田切公園交差点を左折し、祐天寺駅通りを東へ進みます。
東急東横線の高架をくぐり、祐天寺駅前を走る祐天寺駅通りを南東へ進みます。
駒沢通りと交差する目黒税務署前交差点を右折し、駒沢通りを南西に向かいます。
少し進むと、通りの向こうに立派なお堂が見えます。


         信号を左折              向かいの田切公園を右折         五本木通り 田切公園交差点を左折

        祐天寺駅通りを東へ               東急東横線の高架               祐天寺駅前

        祐天寺駅通りを左折            祐天寺駅通りを南東へ          目黒税務署前交差点を右折

        駒沢通りを南西に             通りの向こうにお堂



⑫「さわら庚申と道標」です。
お堂の屋根瓦の上と懸魚に二匹の猿の像が菱形のエンブレムを支え合っており、欄間には三猿が彫られています。
お堂には、三基の「青面金剛像の庚申塔」が祀られています。
お堂の右側に、「手水鉢」と「角柱型文字塔の道標」が配置されています。
道標の正面には「おく沢/ひもんや/いけかみ 道」、左面には「右 あざふ/あを山 道」、右面には「右 ごほん木/ふたご 道」と陰刻があります。


         立派なお堂             同 屋根瓦・懸魚・欄間に猿像

        同 青面金剛像の庚申塔          同 青面金剛像の庚申塔             同 青面金剛像の庚申塔 
       元禄十年(1697) 造立           元禄五年(1692) 造立              寛文三年(1663) 造立

      手水鉢と角柱型文字塔の道標           同 道標の正面                同 道標の左右側面



祐天寺二丁目交差点を右折し、昭和通りを西へ向かいます。
暫らく進むと、アパートの前に覆屋が見えます。


       祐天寺二丁目交差点              昭和通りを西へ              アパートの前に覆屋



昭和通り地蔵」です。
やや剥落気味の「地蔵菩薩像」が祀られています。


       昭和通り地蔵の覆屋              同 地蔵菩薩像
                          宝永五年(1708) 造立



昭和通りを戻り、途中のブティックの角を右折し駒沢通りに向かいます。
駒沢通りとの合流地点に、覆屋があります。


        昭和通りを戻る           途中で右折し駒沢通りに向かう         駒沢通りとの合流地点に覆屋



五本木2丁目15の地蔵堂」です。
「聖観音菩薩像」が安置されています。


          地蔵堂                同 聖観音菩薩像



駒沢通りを南西に向かい、五本木ふれあい街かど公園の先の角を右折します。
その先、S字にカーブした趣のある鎌倉道を左折して進むと、木々の間に覆屋が見えます。


     五本木ふれあい街かど公園            深紅のサルスベリ          公園の先を右折し道なりに西へ

    鎌倉道を西へ 覆屋が見える



⑬ 目黒区指定有形文化財の「
五本木庚申塔群」です。
覆屋の前に、塔の四面に「南無阿弥陀佛」と彫られた「念仏供養塔」が配置されています
覆屋に、四基の「青面金剛像の庚申塔」五本木地蔵と呼ばれる「地蔵菩薩像」計五基の石仏が安置されています。


        五本木庚申塔群                  念佛供養塔                   覆屋の石仏
                               元禄二年(1689) 造立

    同 二基の青面金剛像の庚申塔       同 二基の青面金剛像の庚申塔            同 地蔵菩薩像
  元禄八年(1695)・貞享三年(1686) 造立       左)宝暦十一年(1761) 造立



更に鎌倉道を西へ進むと、突き当りの角に「守屋善兵衛邸宅跡」があります。


        鎌倉道を西へ



草に覆われた邸宅跡には、「達磨大師石像」一対の「石造狛犬」が隠れていました。


       守屋善兵衛邸宅跡              達磨大師石像                一対の石造狛犬



守屋善兵衛邸宅を左折し、駒沢通りの守屋図書館前交差点に出ます。
交差点を右折し駒沢通りを南西に進むと、神社の塀が見えます。


   守屋図書館前交差点を右折           駒沢通りを南西に             神社の塀が見える



寿福寺から2,400mで、旧上目黒村五本木組鎮守の「
十日森稲荷神社」に着きました。
境内の左側には「神楽殿」、右側には「手水舎」が配置されています。


         前景                明神型鳥居                  手水舎

          神楽殿               拝殿前 一対の神狐像                   拝殿

         本殿               南側参道 明神型鳥居



駒沢通りを南西に、更に東急東横線の高架をくぐり五本木交差点を右折し、北西に向かいます。
五本木西みどり街かど公園の前に、覆屋が見えます。


      駒沢通り 東急東横線の高架          五本木交差点              不動産屋の角を右折

      メランポジュームが元気              覆屋が見える



五本木三丁目の馬頭観音と庚申塔」です。
板塀で囲われた二つの覆屋には、四基の馬頭観音像・馬頭観音碑が祀られています。
左側の小さな覆屋には、判読が難しい「馬頭観音碑」が安置されています。
右側の覆屋には、剥落した「馬頭観音像」五本木三丁目庚申塔と呼ばれている「馬頭観音像の庚申塔」「馬頭観音碑」が安置されています。


         二つの覆屋                左側の覆屋                同 馬頭観音碑(判読困難)

         右側の覆屋                三基の馬頭観音

       同 剥落した馬頭観音像            同 馬頭観音像の庚申塔               同 馬頭観音碑
                             享保十六年(1731) 造立           大正十二年(1923) 造立



五本木交差点に戻り、駒沢通りを南西へ向かいます。
二つ目の信号を右折し西へ進むと、駐車場の塀の間に小堂がみえます。


       五本木交差点に戻り右折      駒沢通り ペットクリニックの角を右折        塀の間に小堂が見える



四郎兵衛地蔵尊」です。
お堂の前には、「四郎兵衛地蔵標柱」が配置されています。
堂内には、剥落が進む「馬頭観音像」と二体の「地蔵菩薩像」が祀られています。


         小堂                 四郎兵衛地蔵標柱             堂内 三体の石仏

       同 馬頭観音像                  同 地蔵菩薩像                 同 地蔵菩薩像
     文化三年(1806) 造立



駒沢通りに戻り、東へ学芸大学駅方向へ進みます。
駅近くのクリーニング店の角を右折すると、シティパル学芸大前に覆屋が見えます。


     クリーニング店の角を右折              覆屋が見える


シティパル学芸大前の地蔵尊」です。
真新しい「地蔵菩薩像」が祀られています。


         地蔵の覆屋                   同 地蔵菩薩像



通りを戻り東急東横線の高架前で左折して、高架に沿って北東に進みます。
鮫洲大山線(東京都道420号線)と交わる角に、小堂が見えます。


       高架前で左折              高架に沿って北東に            鮫洲大山線と交差

       小堂が見える



庚申塔(こぶとり庚申)」です。
コンクリートブロック製のお堂には、かなり剥落した「青面金剛像の庚申塔」が祀られています。


         小堂                 同 青面金剛像の庚申塔
                           元禄三年(1690) 造立



東急東横線の高架をくぐり、鮫洲大山線を南東に進みます。
先の信号を左折し、鮫洲大山線を更に東に進みます。
目黒通り(都道312号線)と交差する目黒郵便局前交差点を右折し、
目黒通りを南西に向かいます。
目に付いたバーミヤン碑文谷店で英気を養います。 40分の休憩で巡行再開です。
目黒通りを100mほど戻り、リカリカランドの角を左折すると覆屋が見えます。


       高架をくぐり南東に         鮫洲大山線を更に東に進む          目黒郵便局前交差点を右折

      目黒通りを南西に          リカリカランドの角を左折              覆屋が見える



鷹番馬頭観音」です。
覆屋には、剥落した「馬頭観音像」が祀られています。


      二基の墓標と覆屋             馬頭観音の覆屋               同 馬頭観音像
     嘉永三年(1850) 造立



更に目黒通りを北東に進み、目黒郵便局前交差点まで戻ります。
交差点を右折し、26号線通り(鮫洲大山線)を南へ向かいます。
円融寺通りと交差する信号の角に、石灯篭と覆屋が見えます。


        目黒通りを北東に            目黒郵便局前交差点

       26号線通りを南へ               紅白のサルスベリ           信号の角に石灯篭と覆屋が見える



⑭「清水庚申尊」です。
「切支丹燈籠」と「文字型庚申塔」が安置されています。
庚申塔は道標を兼ねていて、左側面には「右 せた加や ふちう/左 志な川/みち」、右側面には「右 いけ加み まりこ/左 めくろ ゑど/みち」と陰刻があります。


         二基の石造                   切支丹燈籠

       庚申塔の覆屋               同 文字型庚申塔             同 左右側面
     嘉永七年(1854) 造立



26号線通りを北へ、 目黒郵便局前交差点まで戻ります。
交差点を渡り、 鮫洲大山線を北西に進みます。
ファミリーマートの角を左折し、学芸大学駅東口商店街をひたすら西へ向かうと駅舎が見えます。
十日森稲荷神社から4,000m、13時35分に東急東横線学芸大学駅東口に着きました。


     目黒郵便局前交差点を渡る          ファミリーマートを左折          学芸大学駅東口商店街を西へ

      東急東横線学芸大学駅東口




天候と体調に恵まれて、8㎞の行程を快適に歩破することができました。
当初は「こぶとり庚申」→「学芸大学駅」で終了の予定でしたが、駅の南側 「鷹番馬頭観音」「清水庚申尊」までを一気に巡り終えました。
目黒区で現存する唯一の富士塚「目黒富士」は想定の通りのものでしたが、登山道があるのを見逃してしまい悔いが残りました。